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PainterのフィルタレイヤーとPSD形式保存について

Painterに限らず、レイヤーのあるペイントソフトでは、それぞれのレイヤーをどういう風に表示するかという合成方法を指定することが出来ます。描画部分が下のレイヤーを隠す「通常」、下の色と重なる「乗算」など、どのソフトでも共通な仕様のものもありますが、そのソフトにしかない合成方法もあります。
ペインターにおける「フィルタ」レイヤーもその一つです。
「フィルタ」レイヤーは「重ね塗り」系のブラシ(鉛筆やクレヨンの一部など)やデジタル水彩などのブラシをレイヤー上で使った際に自動的に変換される形式です(特殊扱いのためなのか、レイヤーパレットの右横のアイコンがその他の合成方法と違い、赤色で表示されます。)
ペインターでは、他ソフトの形式でレイヤーが扱えるものとして一番一般的に使われているPhotoshop形式(PSD形式)で保存することが可能ですが、当然のことながら、Photoshopには「フィルタ」というレイヤーの合成方法はありません。
こういった場合、相手先のソフト(Photoshop側)で用意されている合成方法に自動的に変換されて保存されます。


Painterの「フィルタ」レイヤーは、「比較(暗)」という合成方法に変換されているのですが、これだと描画結果がかなり変わってくるのですね。
そこで、Photoshop側で、「フィルタ」にほぼ近いと思われる「乗算」レイヤーへの変更が必要になります。
とても面倒なので、何とか「乗算」に変えてくれないものか…と思っていたのですが、「Painter X」以降、一部のケースで「乗算」に変わるようになっています(何故、一部なのかは謎なのですが…(笑))。
このケースは「Painter X」「Painter 11」「Painter Essentials 4」が対象になります。
PSD形式で「フィルタ」が「乗算」に変わるケース
●該当のレイヤー上で「デジタル水彩」を一度でも使用した場合。
デジタル水彩を使用後、「デジタル水彩乾燥(ES4では「水彩乾燥」)」をおこなったかどうかは問わない。
ただし、デジタル水彩乾燥後にそのレイヤーをコピーペーストしたペースト側のレイヤーはこのケースに該当しない。

とまぁ…つまり、デジタル水彩を使ったレイヤーは何故か乗算になる訳ですね…。
その他の場合のフィルタレイヤーは、「比較(暗)」になります。
私は、ずっとデジタル水彩を使ったものでしか、PSD保存していなかったせいか、Painter X以降はすべて「乗算」に変わるものと思い込んでいたのですが、間違っていたことに今頃気づきました。
デジタル水彩は内部的に別レイヤーのようなものを持っていて、これは乾燥しても消えないので、この内部レイヤーの有無で「乗算」になるか「比較(暗)」になるかの判定がされているのかもしれません…。
とはいえ、出来ればすべてのフィルタレイヤーを「乗算」に変換して欲しいものです…それでも乗算とフィルタでは発色に違いがある場合もあるんですけど…ね…(^^;)
フルバージョンのPainterの場合は、合成方法を手動で変換することも出来ますので、それほど問題は大きくありませんが、Essentialsの場合は、描画後の手動での合成方法変更は通常の方法では出来ませんので、「比較(暗)」に変わってしまったレイヤーについては、Photoshop側での修正が必要になります。
逆にPhotoshop側にしかない合成方法(「焼き込みカラー」等色々)を使ってPSD保存したファイルをペインターで読み込んだ場合は、ほとんどすべて「デフォルト」に変換されてしまいます。
せっかくPSD側で面白い合成方法を使っても、そのままではペインターでは表現できない訳ですね…(笑)
SAIの「発光」レイヤーや、Photoshopの「覆い焼き(リニア)-加算」みたいな感じのキラキラするハイライトが出来るような合成方法が欲しいんですけどねぇ…ペインターにも(ブラシだとあるんですけど)…(笑)