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Painter 2022 ペンと鉛筆ブラシを作成する

今回はPainter 2022 の新機能を使ったペンと鉛筆ブラシの作成について紹介します。作成したブラシはダウンロードできるようにしてあるので、ご利用ください。
サンプル画
今回利用する新機能は、描点タイプの硬度と強化カバーの使用です。(何回も紹介している新機能ですが(笑))
とても使えるブラシです。絶対お勧めです…たった一つ問題があるのですが…そちらは後回しにします…。ブラシのダウンロードリンクはその問題を紹介した後にカテゴリという形で配布します(複数のバリアントがあるのでその方が楽かと)。

ペンブラシの作成

描点タイプで尖頭タイプを選択し、硬度を高くすると以前のバージョンよりも細い線を描くことが出来るようになります。

※標準タイプでも以前より細くなりますが、今回はより細く描ける尖頭タイプを利用します。

ご自分で作成する場合は、Painte 2022 Brushes ライブラリ(デフォルト)の[ペン]>[スムーズ化]を利用すると楽だと思います。
基本的には、[描点タイプ]コントロールから[尖頭タイプ]を選択し、硬度を100%に変更するだけです。これだけで筆圧を低くしたときにかなり細い線が描けるようになります。筆圧コントロールがしやすく細い線が描きやすいと思います。

さらにここから[手法]の[サブカテゴリ]を変更する設定を紹介します。
[手法]はいずれも[強化カバー]です。ブレンドの[強化されたレイヤーブレンド]にチェックを入れているので、手法は変更しない方がよいと思います。[サブカテゴリ]を変更していきます。

  • タイプ1.最も細い線が描ける サブカテゴリ[ソフトアルファ(ブレンド)]
  • タイプ2.細い線がかすれる(途切れる)。[用紙]によって描画結果が少し変わる。 サブカテゴリ[粒状エッジフラットアルファ(ブレンド)]
  • タイプ3.太めの線が出しやすく、線の強弱がつきやすい。 サブカテゴリ[フラットアルファ(ブレンド)]

描画結果比較
いずれも、配布したブラシのサブカテゴリを変えるだけで使用できると思いますが、タイプ2については少し確認した方がいいこともあるので説明しておきます。
粒状エッジフラットアルファタイプは[粒子感]に数値が入ります。サブカテゴリを選択すると[粒子感]コントロールの入力が出来るようになります。多分変更した数値が入っていると思うのですが、次の値になっているか確認してください。

粒子感:95%
最小粒子感:40%
粒子感のジッター:15%
滑らかさ:0%
表現設定:筆圧 反転チェックあり
そのほかのチェックは全てなし
この数値は[用紙]に[ベーシックペーパー]を選択したときに最適な状態になっています。薄い色の[用紙](コールドプレス水彩など)を選択した場合、かすれがひどくなりすぎる場合があります。そういった用紙を選択している場合は[粒子感]を少し下げて91~92%程度にするとよいと思います。選択する用紙とかすれ感の出方の調整をしてみてください。ベーシックペーパーでもかすれ感を強調したい場合は97%程度まで上げるとよいかもしれません。

サイズについてですが、デフォルトでは8.0になっています。多少違ってもあまり描画結果に変わりはありませんが、サイズが12.0辺りから徐々に太い線の縁がぼけるようになります。基本的には細い線がメインのブラシなので、あまりサイズを変更せずに描画するのがお勧めです。大きなサイズのブラシにしたいときには普通にデフォルトブラシの[スムーズ化]や[細](描点の種類:レンダー)でサイズを上げる方が無難だと思います。

最終的に配布するブラシはここからさらに間隔、補充料、ブレンドなどの数値を少しずつ変更しています。
使う方の筆圧は違うので、[ブラシの較正」にはチェックを入れていません。チェックを入れて最適な筆圧でご使用ください。ある程度以上に筆圧をかけたときに適度に太めの線が出るくらいが理想かなと思います。 


鉛筆タイプ

鉛筆は[標準タイプ]で[硬度]を変更、手法のサブカテゴリに[粒状ハードアルファ(ブレンド)]を使用しています。
標準タイプも尖頭タイプと同様に硬度を上げると線が細目になります。
そのほかは、[ハードメディア]コントロールでペンを傾けたときに太い線が描けるようにしてあります。また[描点ステンシル]に[用紙]を設定し、より粒子感が出るようにします。
カスタマイズしていく際は、Painte 2022 Brushes ライブラリ(デフォルト)の[鉛筆]>[硬度 B]辺りから作成するのが良いでしょうか。

配布では『濃いめ』『標準』『薄め』の3種類を配布しています。便宜上、2B、HB、2H としていますが、多分適当です(笑)
それぞれの違いは[硬度]の数値を変える、サイズや不透明度などを調整といった感じです。

鉛筆ブラシも[用紙]に何を選ぶかで描画結果がかなり変わります。結構シビアに変わるので、注意が必要です。
粒子感の設定
配布したものは[ベーシックペーパー]を選択した状態で作成しています。こちらも[粒子感]コントロールで[粒子感]の値を変更して調整します。コールドプレス水彩だと、3~4下げた感じでしょうか。
粒子感の変更は描画結果を見つつ、1ずつ調整していきます。プロパティバーで粒子感にカーソルを置き、キーボードの上下キーで1ずつ変更できます。


色鉛筆を作ろう

鉛筆タイプから、色鉛筆を作成します。別段黒以外の色で描画すれば色鉛筆になるんですが、やはり色を重ねたときに塗り潰し感が出るのは避けたいです。
強化カバーは基本、塗り潰しタイプのブラシですので…塗重ねる感じは出ません。
普通に重ね塗りタイプやグレーズの乗算辺りを使えばよいのでは?と思うのですが、それではつまらないので(?)、強化カバーのまま若干重ね塗り感が出る方法を考えてみました。
そして、グレーズブラシが登場してから、全くといっていいほど使われることのなかった[ブラシストロークの属性]を使用することにしました。
結合モードには新機能の[焼き込み]を使用(新しいもの好き)。まぁ別に乗算でもよいのですが、塗った感じがよかったので。
ただし、[焼き込み]使用の場合はキャンバスでなにも描かれていないところには描けません。レイヤーに描画する必要があります。キャンバスにも描きたい場合は[乗算]を使用します。

標準タイプの鉛筆 [Pencil_HB 22]から以下のように設定変更で作成できます。

ブラシストロークの属性
ストローク属性の使用:チェックあり
結合モード:焼き込み
ストロークの不透明度:70%

不透明度:値を10%程度上げる

割と良い感じの色鉛筆になると思います。
色鉛筆の作成


さて、ここまで良いことばかり書いたのですが、最後に残念な(?)お知らせを…というか最初に書いた問題点の報告です。
硬度を元々の数値(尖頭、円形は20%、標準は17%?)から変えた場合、次のような問題が発生するようです(硬度の数値差が大きいほど顕著?)。
Painter再起動後に選択されているブラシのサイズのときのみ描画結果が変わってしまいます。尖頭タイプなら細い部分が太く、標準タイプなら全体が薄く描画されます。文章で書くとわかりにくいですが、実際に使っていると分かると思います(下図も参考に)。
問題
サイズを少しでも変更させれば問題は解消されますが、起動中は最初のサイズではずっと問題が出ます。また、別のバリアントを選択している状態から該当のバリアントを選択した場合、症状が出るときと出ないときがあります。
割とランダムで発生するので(色々試しているのですが、きっちりとした条件が出ません)、起動直後にいつもと違う感じがしたら、以下のいずれかをおこなってください。

1.サイズ変更して描画する(問題は起動直後のサイズのみなので、別サイズで描けば問題なし。今回配布のものはサイズをあまり細かくいわないので、キーボードの[や]で1ずつ変更させてOK)

※サイズについては、0.1でも違えば問題ないので、例えばサイズライブラリに8.0と8.1を用意して、それぞれを起動時に切り替えるのもあり。

2.[描点タイプ]コントロール(プロパティバーの[形状]アイコンからも描点タイプと硬度を表示できる)から[描点タイプ]を一度別のものに変更してから元のタイプに戻る(これが一番おすすめ)、あるいは、[硬度]の値を一旦変更(100を適当に変えてまた100に戻すなど)する。


1はキーボードのみで変更できるので楽ですが、起動中は起動直後のサイズは使えません。2は完全に正常に戻りますが、手順が多少面倒です。
どちらを選んでも一長一短ですが、それ以外での解決策が今のところない(バリアントを元に戻す…などでも戻らない)ので、まぁどうしたものかなと思っています。で、この状態で配布するのもなぁとも思ったのですが…とりあえず配布することにしました…。


※ いや~、カスタマイズ中に時々設定は変更してないのに、妙に薄くなってたり、あれもっと細くなかったっけ?ということが何度かあり、おかしいなぁとは思っていたのですが…配布直前にこの現象に気づきました。まさか起動直後のサイズ限定の問題とは…。


Painter終了前に覚えていたら、同じカテゴリ内の問題の出ないバリアントを選択しておくと次回起動時に問題が出る確率が減りますが…そんな面倒な…絶対忘れると思います(そして何度かは、それでも問題が出たような…全く同じことをしても出るときと出ないときがあるという不思議)。
とにかく、起動直後にブラシの描き心地が違うなと思ったら、ちょっとサイズを変えてみてください。


以上、ペンと鉛筆のカスタマイズでした。
まぁ当面、問題が解決するまでは使えるのかなぁとも思うのですが、少なくともペンの細さは捨てがたいので…。
バグだといいな…そしてアップデートで修正されるといいな…すごく使えるのに…一押しなのに…と思いつつ…。
一応ブラシの配布もさせていただきます。今回は以下のバリアントをまとめたカテゴリファイルの配布になります。
そして上記の問題解決になるかもしれないダミーのバリアントを入れました。筆圧でサイズが変わるべた塗りブラシです。単独でも結構使えるかと(笑)

最後の英語名がPainterで表示されるバリアント名になります。
ペン(タイプ1[ソフトアルファ(ブレンド)]) Pen_c 22
鉛筆(濃いタイプ) Pencil_2B 22
鉛筆(標準タイプ) Pencil_HB 22
鉛筆(薄いタイプ) Pencil_2H 22
ダミーブラシ(終了時前選択用) Dummy

以上5個のバリアントが入ったカテゴリファイルになります。
カテゴリのインポートで読み込んで使用してください。カテゴリ名はchara 22です。
インポート後、必要なバリアントのみ、ほかのカテゴリにコピーなり、ドラッグで移動させるなどして「chara 22」カテゴリが不要になったら削除してください。

配布カテゴリファイル(ファイル名をクリックで保存)
 chara 22.brushcategory 37KB

そして、今回の問題を抱えたブラシを使うのが面倒という方のために鉛筆の3タイプのブラシを問題の影響を受けない(と思われる)1ピクセルエッジで作成したものも配布します(今のところ、1ピクセルエッジでは問題を確認できていませんが、絶対ではないです…出たらごめんなさい)。ペンについては細く描けるのが重要なブラシなので、問題はありつつもそのままになっています。粒子感の出方などは元々のほうが若干好きなのですが(個人の感想)、できるだけ描画結果を近づけたものになります。

ペン(タイプ1[ソフトアルファ(ブレンド)]) Pen_c 22 変更なし(問題が出る)
鉛筆(濃いタイプ) Pencil_2B 1E 変更あり
鉛筆(標準タイプ) Pencil_HB 1E 変更あり
鉛筆(薄いタイプ) Pencil_2H 1E 変更あり
ダミーブラシ(終了時前選択用) Dummy

配布カテゴリファイル(ファイル名をクリックで保存)
 chara IE.brushcategory 38KB


どちらかを選んでいただいても構いませんし、どちらも…でも、どちらも要らないでも、ご自由にお使いください。
お読みいただき、ありがとうございました。
次回はもう少し別のブラシカスタマイズをやってみようかと思っています。