2.マーカー(Painter 11)を使った実作業

Painter11の新ブラシ「マーカー」はコピック風のブラシとして使うには、雰囲気があって良いのですが、ワンストロークで描かないと色が重なってしまうとか、描きなおし(修正)が非常に難しいといった点があり、細かい部分の作業には不向きです。
そこではみ出しなどは気にせずに作業を進めた上で、今回のレイヤーマスクを使用してはみ出し部分の修正をおこなっていく方法をとってみたいと思います。
「Painter X」以前をご使用の方には、ここから先はあまり役に立たないのですが、その他のブラシでも「透明度からレイヤーマスク作成」を使用しての作業は可能ですので、参考までに…(Painter 11のマーカーブラシって、ちょっと面白そう…なんて思われましたら、是非11体験版などお試し下さい…(笑))。
前述しましたように、最終的には消しゴムではみ出し部分を消したのと同じ事なのですが、消しすぎた際の修正が難しい「マーカー」では消しゴムで修正するよりも、レイヤーマスクを使った方が効率がよいと思われます(クレヨンや水彩ブラシなどもこの方法での消し作業が向いています)。
最初から選択範囲を作って「透明度ロック」して塗ればいいのでは?と思われるかもしれません。
そちらの方法でも構わないのですが、実感として「透明度ロック」でマーカーを塗った場合、若干ですが周囲がぎざぎざになるような気がしまして…結局、後でまた修正する羽目になったこともあり、この方法で進めることにしました。
あまり気にならない場合は先に塗り範囲を決めて「透明度ロック」でもOKかもしれません。
今回の塗り作業は、以前にカスタマイズしたマーカー風ブラシの中で筆圧により若干濃さが変わるタイプのバリアントを主として使用しました。

では、実作業に…。
まずはいつものように顔から…塗り始めます。
今回はレイヤーマスクを使いたいので、塗りはすべてレイヤー上におこないます。
新規レイヤーを作成して、そこに塗っていくことにします。
塗り方はとにかく塗り重ねていくだけなので、特にこれといったことはありません。
色の出方はとても薄いので、何度か塗り重ねます。
マーカーの特色として、ワンストロークならば均一な色が出ます…言い換えればあまり細かくストロークを区切って塗ってしまうと、ムラになってしまうということです。
塗り方のコツ…みたいなものはカスタマイズブラシ作成時のブログの方に載せていますので、そちらを参考にして下さい。
基本的には重ね塗り系のブラシですので、濃い色の上に薄い色を重ねて、影などを表現することが可能です。
塗り2塗り3塗り4
カラー(上図の一番右は左にある紫系の薄いピンク色で影をつけていったものです…こんな感じで色相の違う色も塗り重ねていけます。)アナログのコピックみたいな使い方が出来る…筈…です…(笑)
塗り重ねていくと、濃くなってしまう場合がありますが、 その際は濃い部分を薄くしようと思わずに(修正は非常に困難ですから…(笑))、濃い部分にあわせて塗り重ねた上で(下左図)、明度補正で明るめに修正した方が仕上がりがきれいです(下中央図補正後)。

濃くなった → 補正後   補正
明度補正の設定値

それと、今回の「レイヤーマスク」作成にも関わることですが、とにかくはみ出し部分は気にせずに塗って下さい。
同じ肌でも塗り分けが難しければ顔と首は別に塗るなどでも構わないと思います。
隣接部分の境界を気にしすぎるとうまくいきません…ので、はみ出しても、問題なし!みたいな感じで作業して下さい。
塗りが完了したら、「透明度からレイヤーマスク作成」でレイヤーマスクを作成します。
レイヤーパレットで「レイヤーマスク」側を選択し、べた塗り辺りのブラシと選択色に「黒」を指定して、はみ出し部分を消していきます。(この辺り詳しくは「前編」参照のこと)
消しすぎた部分は選択色を「白」に変更して修正することで元の状態に戻すことが出来ます。
レイヤーマスク作成黒レイヤーマスク修正後
適用修正が終わったら、レイヤーパレット上の「レイヤーマスク」の上にカーソルを置いて、右クリックします。
左図のようなメニューが出ますので、「レイヤーマスク適用」を選択します。
これでレイヤーマスクが消えて、はみ出し部分の修正が終わりました。
後は同じ要領で新規レイヤーを作成、マーカーで塗って、レイヤーマスクではみ出し修正という一連の作業の繰り返しになります。

髪の毛については、今回のカスタマイズしたブラシを使用していただければ、ワンストロークで全体を塗らなくても、髪の流れ毎にストロークを切ってもらっても大丈夫だと思います。
下図では、前髪の辺りなどはすべて別々のストロークで描いていますが、それほどムラは気にならない…というか毛の流れ…という感じで…(^^;)
もちろんワンストロークで全体を塗ったような感じの塗り方…でもOKですけど…(笑)
途中で色相の違う色を重ねても面白いと思います(下図2番目)。
髪塗り1髪塗り2髪塗り3
この後、更にもう少し塗り重ねました。
画像が多くなってきたので、次ページへ…(笑)

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