2.マスク作成後、人物に色を塗る

まずは、先ほど主線をレイヤーにしておきましたので、一旦キャンバスに もどります。
「マスク」→「新規マスク」を選択します。
「新規マスク1」が出来ます。
主線レイヤーは合成方法が乗算かフィルターになっていると思いますので、「マスク」で、「新規マスク1」を選択し、ブラシはベタブラシなどを選んでください。 色は黒です。


←図のように、人物全体を縁取ります。
線が途切れないようにきちんと縁取ってください。
髪の毛など、細かい部分はこの時点では、無視して構いません。
塗り残すような感じで縁取っていきます。
人物全体が縁取られたら、キーボードの「K」キーを押します。
以前にも説明しましたが、塗り潰しのショートカットキーです。

許容値を190前後に指定して、縁取った線の内側でクリックします。
人物部分のほとんどが赤く塗り潰されたと思います。
もちろん、下絵の線は見えているはずです。
倍率を少し上げて、細かい部分を修正していきます。
とにかく人物全体をマスクで覆ってしまうわけです。
 
頭のあたりが、出来上がったマスクが←図のような状態です。
髪の毛の細い部分は出来上がりの状態になるまできちんと描いて下さい。
このような状態まで、マスクが出来上がれば、もう後は、難しくありません。
マスクの目を閉じて、RGB-キャンバスに移ります。
後は人物を水彩筆で塗っていくだけです。
水彩ブラシは、キャンバス(背景)上でしか使う事が出来ません。
レイヤーを作ってそこで水彩を…という使い方は出来ないわけです。
当然、レイヤーマスクなんてものも使えません。
それから、水彩ブラシは、キャンバス上にありながら、他のブラシとは全く別扱いになります。
簡単にいうと、水彩ブラシというのは、特別な水彩レイヤーというものの上でのみ使われるブラシなのです。
キャンバスがあって、その上に自動的に水彩用のレイヤーが作られて いるわけです。 (表面上はそのレイヤーは見えませんが)
そのため、水彩を乾燥させるまでは、キャンバス上にある描画には一切干渉しません 。
スポイトツールで色を取得する事もできなければ、マジックワンドで色範囲をしてする事も、各種の「効果」を実行する事も出来ません。
乾燥する事で、キャンバスに張り付きますので、(レイヤーで言う「固定」の状態が水彩の「乾燥」に近いと思います)色々な処理も可能になるわけです。
さて、この水彩で、肌色からずっと塗っていくわけですが、一応パーツごと(例えば肌色)に乾燥させていきます。
でないと、色が混ざってしまいますから…色を混ぜたい時は乾燥しない方がいいですが…(笑)
私は、乾燥させた後、「全てを選択」して、「レイヤーに変換」させています。
もちろん、メモリの関係もありますから、レイヤー化せずにそのまま乾燥と水彩での描画をキャンバス上で繰り返す事も可能です。
またレイヤー化した場合は、合成方法を「乗算」か「フィルター」にしてください。
デフォルトのままでは、一番上のレイヤーの色しか見えなくなります。
なぜかと言いますと、ここまでレイヤーのお話をしてきた事で既にお分かりいただけていると思いますが、「全てを選択」してレイヤーにした時点で、このレイヤーは全体が黒い状態(描画できる状態)になっています。
(レイヤーのマスクを確認していただければ、全体が黒になっているのが分かると思います。)
ですから、デフォルトの状態では、下の画像を全て覆い隠してしまうわけです。
そこで、下の画像も見えるように「乗算」などを使うわけですが、ここで、下の色と重なっている部分があったりすると、そこだけ色が重なって(乗算)しまうわけですから、濃い部分が出来てしまいます。
そのあたりは、きちんと修正して、はみ出さないようにしていかなければいけません。

次に髪の毛の塗り方について、少し説明します.
先ほど作成した「新規マスク1 」を「マスクの反転」で白と黒を反転させて目を開き表示します。

何の為にこのような事をするかというと、先ほど折角丁寧に作ったマスクですが、そのマスク部分を完全に色をつけてしまわないと、後でそこだけ塗り残した感じに仕上がってしまい、折角のマスクの意味がなくなってしまう為、マスク部分が分かりやすいように表示させるわけです.。

表示させると、←図のようになります。
この状態で、白い部分が完全になくなる状態まで、髪を塗っていきます。
もちろんはみだしてしまって構いません。
ただし、はみ出すのは外側の背景部分と交わる所だけです。
顔や服といった人物の中身と交わる部分はちゃんと塗ってください。
どうして、人物の外の部分は、はみ出してもいいかといいますと、
後で、レイヤーにして、先ほどの「新規マスク1」をコピーしてくるから
です。(もちろん再度「マスクの反転」をさせておいて下さい)
レイヤーマスクはマスクされた黒い部分しか描画されないわけですから、髪のレイヤーにマスクをつけた時点ではみ出していた部分は消されてしまうわけです。
もちろん、描画自体が消えるわけではないですから、マスクを消せば、元通りなんですが…

実際の髪の描画がどうなっているかを↓図に示します。

上図左側は髪の毛を全て塗り終えて、「新規マスク1」の目を閉じて通常の状態に戻したものです。
分かりにくいかと思いますが、背景との境目が微妙にぼけていると思います。 ここで、「乾燥」させます。
「範囲選択」全て選択し、「レイヤーに変換」します。このレイヤーに「髪」という名前をつけます。
このレイヤーを選択状態にしたままで、 オブジェクト「マスク」で「新規マスク1」を選択し、「マスクのコピー」をクリックします。
マスクのコピー先を「髪マスク」にして実行します。
実行した結果が上図の右側です。
左に比べて、背景との境目がはっきりしていると思います。
このラインが元のマスクの線そのままになるわけです。
以上の処理をしておく事によって、背景との境目に白い部分が残ったりする事が防げるようになります。
作業手順の注意点としては、以下の2点です。
1. とりあえず先にマスクを作っておく
2. 背景との境目は、はみ出すくらいに塗って後でマスク処理をする・・・。
この2点が当時と大きく変わったところだと思います。
これは、バージョンが以前のものでも使えるやり方ですから、6でないから、これは使えないということはありません。
以上のやり方で、全てのパーツを塗っていきます。
さて、では最後の背景との合成にいきたいと思います。

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