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シェイプレイヤーでアニメ塗り 連載第1回

ファイル 64-1.jpgシェイプレイヤーは、四角形、円形、ペンツールなどで作成されるレイヤーですが、あまり利用されてないのではないでしょうか…。
Painterのペンツールは、イラストレーターのベジェ曲線ほどに細かく作業できないので、わざわざ使うこともないと思われていると思うのですが…シェイプレイヤー…実は結構使える…かもしれません…(笑)
いうことで、シェイプレイヤーでアニメ塗り…右図のような簡単なイラストを作成してみたいと思います(作例がいい加減ですみません…(^^;))。
今回は、ペンツールってなんだか難しそうと敬遠している方向けにっていますので、ペンツールを使いこなせるという方は、ご自分のやり方で作業する方が簡単だと思います。

解説量が多くなりそうなので、不定期連載としました…とりあえず1回目は、通常のレイヤーでもできることをあえてシェイプレイヤーで作るメリットなどと今後の予定などを…。

シェイプレイヤーを使うメリット

ファイルサイズを抑えることができる

シェイプレイヤーで画像を作成すると通常のレイヤーで作るよりも、ファイルサイズがかなり小さくなります。
特に大きなサイズのファイルや、レイヤー枚数が多くなるほどその差が大きくなります。
今回作成したイラストのサイズは1570×2000ピクセルです。
通常のレイヤーで作成した場合、線画レイヤーを含めて6枚(線画、リボン、髪、服1、服2、顔)とすると、2284KBになります。
一方、シェイプレイヤーの場合は、線画レイヤーは通常のレイヤー、その他の塗り部分を全てシェイプレイヤー(レイヤー枚数は影の部分などが全て別レイヤーになり、50枚弱でした。)とすると、1049KBでした。
この時点で、すでにファイルサイズが半分くらいになっています。また、シェイプレイヤーでは、レイヤー枚数が増えていっても、それほどファイルサイズが増えません。
極端な比較として、シェイプレオやーの枚数を当初の3倍(単純にレイヤーを2回複製)の150枚程度にしてみました。このときのファイルサイズは1235KBで収まります。
通常レイヤーが、レイヤー枚数に応じてどんどんファイルサイズが大きくなっていくのに比べると、かなりファイルサイズの節約になります。(シェイプレイヤーと通常レイヤーのファイルサイズの差はイラストのサイズが大きくなるほど広がっていきます。シェイプレイヤーはイラストサイズにそれほど影響を受けないためです。)
さらに、ファイルサイズが小さくてすむということは、Painterで開いた時にメモリ容量が(若干ですが)、少なくてすむということになります。

ドローツールなので拡大に強い?

シェイプツールはビットマップではないので、拡大しても通常レイヤーのように、ジャギーが出ず、きれいに拡大することができます。ただし、ある程度シェイプでの補正が必要になる場合があります(特に、長方形、円形、ペンツール以外の方法で作成した場合は、アンカーポイントという点の数が多くなってしまうので補正が必要になります。)

レイヤーの色替えが簡単

シェイプレイヤーでは、描画後のレイヤーの色替えが簡単におこなえます。
通常のレイヤーであれば、[透明度をロック]して色を選択して塗り潰し…或いは色調補正で補正といった作業が必要です。
一方、シェイプレイヤーでは[シェイプ選択ツール]選択時、サブカラー変更で自動的にレイヤーの色替えができるので、サブカラーを選択している状態にしておけば[カラーセット]や[カラーホイール]から変更が簡単におこなえます(カラーセットなどからの色取得はPainter 12から。11まではカラーホイールのみ)。
色の雰囲気を色々変えてみたいときに使うには、本当に便利です)。

 

では、逆に不便な点などもあげてみます。

修正にシェイプ編集の知識が必要

ペンツールを使いこなすというところまでは必要ありませんが、ちょっとした修正程度はできるようにしておく必要があります。
今回の作業は、普通にべた塗りブラシでおこなっていきますので、それほどシェイプのペンツールを意識する必要はないのですが、やはりアンカーの追加、削除及び編集の作業は必要になります。

なんだか手順が面倒そう

ツールを切り替えたりメニューを多用するので、同じ作業を繰り返したり切り替えたりといったことが多くなります。講座内では、スクリプトを利用して作業を単純化することで面倒な感じを減らします。

レイヤーが増えそう

Painterのシェイプレイヤーは通常のレイヤーよりも確実にレイヤー枚数が増えます。
シェイプの囲み方を工夫したり、同色のシェイプをグループ化して管理すると楽になります。
シェイプはグループを選択してサブカラーの色を変更するとグループ内の全てのシェイプを一度に色変更することができるので、グループを1枚のレイヤーと考えると、それほど管理は難しくないはずです。

ぼかしたり、グラデーションさせたりはできない

こsれはシェイプレイヤーでは無理です(グラデーションはブレンドを使えば全く無理という事はないですが…)。通常レイヤーを使いましょう…(笑)

 

あれれ、こうやって書くと不便な点の方が多いですね…(笑) とはいえ、実際の作業において全てをシェイプレイヤーにする必要はありません。
必要に応じてシェイプレイヤーと通常レイヤーを混ぜて仕上げていくといいのではないでしょうか…。
今回は講座ということで、あえて「シェイプレイヤーのみ」を使用して作業を進めていくことになりますが…。

 

では実際にこれからの作業をどんな手順でおこなうのかまでを確認していきたいと思います。
今回もスクリプト多様です…面倒そうなところは全部スクリプトにやらせようという感じです…(笑)

 

簡単な作業の流れは次のようなものです。

① チャンネルでパーツ毎に範囲を塗り潰す(通常のブラシ描画と塗潰しツールを使用)。
② チャンネルから選択範囲を読み込んで、シェイプに変換する。
③ シェイプレイヤーの色を変える。
パーツ毎にこれの繰り返しです。
①のチャンネル上での塗り潰しをしっかりとしておけば、はみ出しや塗り残しが少なくなり、シェイプツールでの修正が少なくてすみます。

 

今後の連載では、実際の作業を通して、パーツの作り方(スクリプト含む)とシェイプレイヤーの修正の仕方、影など重なる部分の作成テクなどを順を追ってやっていきたいと思います。
あくまで、シェイプとか使ったことない方向けに適当感満載の方法になります。もっときっちりかっちり、シェイプを極めたいという方には物足りない内容になるかと思いますので…あらかじめ…その旨ご了解を…(笑)
逆に、使ったことがない方には「やってみようかな?」という気分になっていただければ…。

 

多分3~4回の連載になると思いますが、不定期なので、気長におつきあいくださいませ。

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