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Painter 11アップデートパッチ(SP1)登場

Painter 11のアップデートパッチ(Service Pack 1)がダウンロード出来るようになりました。
  ※01/07 21時、コーレル日本サイトでアップデートページが
   作成されていましたので、記事を修正しました。※
コーレル日本サイトのアップデートページへ
アップデートの注意点としては、解説ページには、単純にインストーラーファイルをダブルクリックしろ…とありますが、念のためアップデート前にユーザーフォルダの中身をバックアップしておくとよいと思います。
アップデート後、特に問題が出なければそれで構いませんが、不具合が出た場合は、一旦ペインターを初期化するとうまくいくことがあります。
Shiftキーを押しながらのペインター起動で初期状態で起動させることが出来ます。
初期状態で起動すると、ブラシの設定など各種設定ファイルが初期状態に戻ってしまいますので、その後バックアップしておいたユーザーフォルダの中身を元に戻す必要があります。
不安な場合や詳しい説明が必要な場合は、とりあえずアップデートする前にメールなどでご質問下さい。
その際は、お使いのOSの他、現在のPainterの設定内容のうち、継続したい設定など(ブラシの設定は残したいとか…)も分かればご記入下さい。

今回のService Pack 1で改善された内容については、同ページ内の「修正/機能追加点」の中に記載があるので、ここでは省略します。
基本的には、Painter 11で新しく起こった問題などに関する修正や改善が主ですので、それ以前のバージョンから引き続きの問題に関する修正を期待されていた場合は、手をつけられていないと思ってもらった方が良いです。
では実際のアップデートパッチの使用感など。
よろしければ、当講座内の「Paintrer 11 問題点と使用上の注意」と比較してご覧下さい(文章中に問題番号が書いてある場合はこのページの番号にあたります)。


まずは、変形関係が劇的に改善しました。
特に変形結果が使える程度にまで進化したので、自由変形ツールを心置きなく使用できそうです…(笑)
変形処理での不安定感やキャンバス上での「自由変形」実行時の問題(一般の問題(4))もなくなりました。

描画時に気になっていた消しゴムツールでのサイズ変更(一般の問題(1))がブラシサイズに連動してしまう問題も解決されました。
これで、消しゴムツールのサイズ変更も気にせず使えますvv
ブラシバリアントのサイズ表示(一般の問題(2))に関しては、なおってないようです…残念ながら。
まぁ、こちらは表示に関してだけなので、消しゴムほどは実害がないですが(とはいえ、ここもきちんと修正されるとよかったです…)

詳細解説内のコピー&ペーストに関する問題は、うちのサイトではこれまで触れてなかったのですが、ペインターをしばらく使っていると(他のソフトを同時に起動させて行き来してたりする場合が多かった気がしますが)Painterでのコピーが全く出来なくなることがありました。
これに関する修正かと思うのですが、実際にしばらく使ってみないと、完全に修正されたのかは判断できかねます。
それと、テキスト関係のコピーが出来るようになったとか…?
テキストはあまり使うことがないので、詳細は不明ですが…出来るようになったというのはよいことです…他に不具合が出なければ…(笑)

カラーマネジメント関係については、私自身はほとんどオフの状態で作業をしているので、あまり気にしたことはなかったのですが、一つだけとてもありがたい変更が!
元画像でオフにしていても、クローン画像では自動的にオンになってしまうのがとても嫌だったのですね(クローン画像で色調補正して保存したら、色が全然違ったとか…初期にはそれで何度か泣きました)。
今回のアップデートパッチではクローン画像に元画像のカラーマネジメントが保持されるようになったとのことで(実際にやってみて、元画像をオフにしていた場合、きちんとクローン画像もオフになりました!)クローンしたら、色味が違うなんてことがなくなりますねvv

パフォーマンス関連は、待機時のCPU使用率が低くなったので(これまでは待機状態でも100%使用とかありましたので)、パソコン自体に優しくなったのはよいことです。
テクスチャ関連ですが、初期バージョンではファイルを新規作成(あるいは開く)するまで(ペインター上に画像がない状態では)テクスチャを選択することが出来なくなっていたのですが、これが修正されて、画像がない状態(ペインターを起動しただけの状態)でも、テクスチャを選択することが出来るようになりました(一般の問題(7))
ただし、こちらは仕様変更だと思うのですが、Ver.11からは、ファイルそのものがテクスチャを保持するようになったようで、それに伴っての注意が必要になりました(初期バージョンではこれに関するバグもありましたが(一般の問題(6))
ペインターのRIFFファイルでは、新規作成時のテクスチャを永遠に持ち続け、次回そのファイルを開いた時には、自動的にそのテクスチャが選択されるようになりました。(他のテクスチャライブラリを開いている場合も、そこにはない元のテクスチャになります。)
RIFF以外での保存(例えばPSD保存)の場合は、テクスチャは覚えていませんので、開いた時に選択中のテクスチャになります。
例えば、「小さなドット」を選択した状態で新規作成したファイルは、次回から開いた時にはずっと「小さなドット」テクスチャが選択された状態で開かれます。
もちろん、描画中に途中でテクスチャを変更することは可能ですが(描画中にベーシックペーパーに変えるなど)、その後ファイルを閉じて開けば、また選択テクスチャは「小さなドット」に戻るという訳です。
なので、新規作成時のテクスチャ選択は結構重要になります。
普段使わないテクスチャを選択したような状態で、そのまま新規作成してしまうと、次回から開く度にそのテクスチャが出てしまいます。
その上、テクスチャパレットの表示は、この新規作成時のテクスチャへの自動的な変更に対処できておらず(何故かテクスチャサイズだけは対応しているのですが)テクスチャパレットの表示と実際のテクスチャに違いが生じてしまいます…テクスチャパレットを表示していない方は、あまり気にならないかもしれません…が…。
→②→③
①「小さなドット」で新規作成した画像を保存、閉じる。
②テクスチャを「ベーシックペーパー」に変更
③①で保存したファイルを開く
③の画像はファイルを開いた時のテクスチャパレットです。
テクスチャのサイズだけは7×7ピクセルの「小さなドット」のものですが、サムネイルとテクスチャ名は「ベーシックペーパー」のままです。
普通はサイズよりもテクスチャ名かサムネイルを見ることが多いので、この状態だとテクスチャは「ベーシックペーパー」のように思えるのですが、実際に描いてみると、「小さなドット」が適用されています…。
適切なテクスチャを選択し直せばよいのですが…なんとも…相変わらずの中途半端で…(笑)
そんな訳で、普段から色々なテクスチャを使っているという場合は、新規作成時のテクスチャに注意して下さい。

自動ペインティングに関してはあまり試していないので…どこがどう問題でどう修正されたかの確認は今のところ出来てません…(^^;)
どうせなら、スクリプト系を修正して欲しかったなぁ…とか…(笑)
スクリプト関連では、カラーパレットからの色取得をスクリプトが記憶しないという問題は解決していませんので、スクリプト記録時はカラーパレットからの色取得はおこなわないで下さい(スクリプト保存関係(1))
また上記のテクスチャとの関連で、スクリプト再生時はテクスチャが初期設定のものではなく、現在表示されているものに切り替わってしまうことがあります(画像を開いてすぐの状態で、テクスチャパレットの表示と実際の描画でのテクスチャが違う場合に発生)ので、こちらも一応注意が必要です。
水彩時の消しゴム使用での再生不可も改善されていません(スクリプト関係(2))…というか、スクリプト関係はこれまでのバグも含め、修正されてないと思います…(笑)

解説ページ内のカラーパレットとミキサーが分かれて…云々というのは、単にこれまでは初期状態でカラーパレットとミキサーがセットになっていたので、それを分けました…ということかと思います…がこれまでも手動で分けることが出来たので、特にどうということはないです。
というか、パレットはそれぞれ切り離すことが出来、セットになっている場合は、個別のパレットのサイズ修正は出来ません。
ファイル 30-4.jpg例えば、レイヤーとチャンネルのパレットはセットになっていますので、レイヤーのサイズを伸ばしたい場合(たくさん表示できるように縦にのばしたいとか…)はそのままでは、サイズを変えることが出来ません(左図の状態では出来ませんが、レイヤー単独の場合は可能…画像クリックで単独のパレット状態)が、レイヤーとチャンネルのパレットを切り離して、レイヤーパレット単独にすると、自由にサイズを伸ばすことが出来るようになります。
チャンネルを非表示にするのではダメです…上部のバーをドラッグ(5本指のアイコン状態でドラッグ)して、何もないところにまで移動させて、パレットを単独の状態にして下さい(下図参照)。
ファイル 30-5.jpg
わざわざ今回の修正箇所に入れたということはご存じない方がいらっしゃったということかなと思い、ちょこっと載せておきました。

その他 、改善事項には記載がありませんでしたが、透過GIFファイルの保存が正常に出来るようになりました(一般の問題(8))
PNG形式での保存と共に、透過GIFも出来るようになったので、WEB関係のファイル作成が楽になりました。

その他、旧バージョンから引き続いての問題などは今回のパッチの対象になっていないようです。
この辺りは次バージョンに期待…でしょうか…それまでに自動アップデートの恩恵とかあるとよいのですが…。
とりあえず、新規の問題点などについては、割合に修正されているので、SP1としてはそこそこ及第点なのではないかと思います。
SP2とか出るのかな…(笑)

ここの予定としては、旧バージョンの水彩を表現するためのブラシのダウンロードを近日中に(アップデートパッチ適用後のPainterで最終確認後に)…更新しますので、よろしくお願いします(__)