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Painter Essentials 8 の紹介

2021年2月にPainter Essentials 8 発売になってから半年と少し…。特に購入する予定はなかったのですが、先日Paint Shop Pro を2022 Ultimate にアップデートしたところ、バンドルソフトとして Essentials 8がついてきました(というか、ついていたのでアップデートした…)。
そんな訳で、こちらで新機能などを紹介しようと思います(発売当時には少しだけTwitterで紹介していましたが)。


ブラシの追加

各カテゴリ内のBrushがいくつか変更、追加されています。あると便利な[べた塗り]ブラシが追加されているなど、扱いやすいブラシがあります。

新ブラシの紹介にいく前に、少し以前のバージョンをそれぞれ比較してみようと思います。
Painter Essentials 5 のブラシについては、当Blog内の 『Painter Essentials 5 機能と設定』に一覧(フォトペイントのためのブラシを除く)が記載されているので、それと比較してもらえるとよいかと思います。
Essentials 6 では 5 から追加、変更されたブラシはありません。ただし、日本語訳等の理由からか、[紙目…」、[粒状…]となっているブラシは、いずれも[粒子感…]に名称変更されています。
Essentials 7 では、既存のブラシ(ES6と比較)に変更はありませんが、カテゴリとして[描点ステンシル]、[ダイナミックスペックル]、[グレーズ]の3カテゴリが増えています(グレーズブラシの紹介は『Painter Essentials 7 の紹介』で)。

さて、Essentials 8 ですが、自動ペイント関係のブラシがかなり変更になっています。カテゴリも[フォトペイントブラシ]から[自動ペインティングと補正]、[フォトペイント-一般]のふたつに分かれました。自動ペイントを使用している場合は、自動ペインティングプリセットのいずれかを選べば、ペイント中に勝手にブラシを選んでくれるので、あまり手動で使うことは少ないと思うのですが…。

通常の描画に使うブラシ(自動ペインティング以外)では、以下のようなブラシが追加・変更されています。

[チョーク、パステル、クレヨン]カテゴリ

[スティック]バリアント追加。

[特殊効果]カテゴリ

[カラーホースのジッター]を[ホース- サブカラーのジッター]など、一部の名称変更(イメージホース系の3ブラシを頭に[ホース-○○]として近くに配置した)。

[グレーズ]カテゴリ

[ファンブラシ]、[草]の2バリアント追加

[粒子]カテゴリ

[重力(レイジースケッチ)]バリアント追加。
[引力のカオス]バリアント削除。

鉛筆、ペン、マーカーなど

[鉛筆、ペン、マーカー カテゴリ] は [マーカーとインク塗りツール]、[鉛筆]、[ペン] の3カテゴリに分けられました。

  • [マーカーとインク塗りツール]カテゴリ(6バリアント)
    • [ドライインク]、[フェルトマーカー]、[極細マーカー]、[ウェット墨絵平筆]、[筆圧サイズマーカー]既存バリアント5つ。
    • [ハッチ]バリアント追加
  • [鉛筆]カテゴリ(9バリアント)
    • [鉛筆(塗潰し)]、[粒子感鉛筆(塗潰し)]、[ 油性濃淡鉛筆]、[筆圧サイズ鉛筆] 既存4バリアント。
    • [硬度3H]、[HB]、[硬度2B]、[硬度6B]4バリアント追加。
    • [シャープペンシル]→[グレーズ鉛筆]1バリアント名称変更。
  • [ペン](8カテゴリ)
    • [極細]、[スクラッチボード]既存2バリアント。
    • [ペン(溶かし)]、[べた塗り]、[スムーズカリグラフィ]、[スムーズペン]4バリアント追加。
    • [カリグラフィペン] →[粒子感エッジカリグラフィペン]、[先丸ペン]→[粒子感エッジ丸ペン]2バリアント名称変更。
[スポンジ]カテゴリ

[ソフトテクスチャ]バリアント追加。

新ブラシ紹介
いずれも割と使えるブラシになっているかと思います。


カラーオプション

フルバージョンのPainterにもある[ハーモニー]の一部が追加されました。
補色にある色が表示される[相補的]、明度を明るくする[明るいモノクロ]、逆に暗くする[暗いモノクロ]のそれぞれから5色選べます。

カラーセットは、[Painterのカラー]、[グレースケール]、[肌の色調]、[パステル]の4種類に変更になりました。これまであった[72種類の鉛筆]、[グレー領域の範囲]、[スペクトル]の3種類はなくなっています。また、カラーセット内の各パレットサイズが小さくなりました(Mサイズに)。
カラー関係


新規作成画面とレイヤーメニュー

新規作成で表示される画面が新しくなりました。フルバージョン同様、方向を変換出来るボタンができたことで、縦横の向きを変えることが楽になりました。
新規作成画面とレイヤーメニュー

レイヤーメニュー(レイヤーパネルの対象レイヤー上で右クリック)に機能が追加されています。新規レイヤ-を作成、レイヤーの結合、上下左右反転(選択中のレイヤーのみ)、デジタル水彩の乾燥などが追加されています。新規レイヤーは選択中のレイヤーのすぐ上に作成されるようです。[レイヤーコンテンツの選択]は選択レイヤーで描画部分(透明な部分以外)を選択状態にします。ただし、デジタル水彩で乾燥されていない部分は選択出来ません。

※デジタル水彩の描画しかないレイヤーで[レイヤーコンテンツの選択]をおこなってしまうと、全く描画ができなくなるようです。このときは、一旦[全て選択]をおこない、それから選択解除(メニューは[なし])すると元に戻ります。少しでも通常ブラシ(デジタル水彩以外)での描画があれば、その部分のみ選択します。

ちなみに右クリックメニューはキャンバス選択時は表示メニューが変わります。

レイヤーメニューには、今回も残念ながら、[透明度をロック]の機能はありませんでした。もちろん、マスク系の追加もありません。


フォトペイント

Essentials 7 で追加されたAIフォトですが、Essentials 8 では、新しいプリセットが追加されています。初期起動後の状態では、フォトペイント内のプリセットには、この新しいものしか表示されていません。7以前のプリセットを表示させたい場合は、環境設定の[インターフェース]から、自動ペインティングのプリセットでクラシックな自動ペインティングのプリセットを表示にチェックを入れる必要があります(要再起動)。
プリセット表示
新しいプリセットですが、プリセット名(日本語訳?)は、まぁあれとして…6以前の従来のものよりは、それらしく、7のAIフォトよりは少し優しい感じの仕上がりになる気がします。
フォトペイント
作業についてですが、選択範囲を取っている状態で自動ペインティング処理をさせると、ものすごく時間がかかって終わらない可能性があるので、注意してください。(いつまでも終わらない場合は、画面内でクリックするか、停止ボタンを押せばその時点の状態で終わります。


そのほか、Macユーザーさんにはお得な新機能があるみたいです。Windowsユーザーには全く優しくないアップデートです。
Apple製品のみの新機能?
Touch Bar に対応(新機能)
Trackpad のマルチタッチ機能に対応(機能強化)
Sidecar をサポート(新機能)
Apple Pencil の傾きに対応(新機能)
Apple 人工知能(MacのみのAI自動ペインティングプリセットがあるようです…)。
以上のようですが、詳しくは分かりません…フン…。


ユーザーインターフェースは7同様、ダーク一沢です。

実は、UserPrefs.xmlをいじれば、ライトの設定にもできることを発見したのですが、まぁこれはやめておいた方が無難でしょう…色々と…(フルバージョン持っていないと設定がすごく面倒だし。フルバージョン持っている人は通常Essentialsは買わないよね)。

カラープロファイルやカラーセットなどの変更は前回の7同様、頑張ればなんとかなります。上記のEssentials 7 の紹介ページに記述がありますので、参考にしてみてください(あくまで自己責任ですが、個別にご相談にものります)。

今回、作業にあたり、自動ペインティングと一から作業してのサンプルを作ってみました。
自動ペインティング
サンプル 自動ペインティング
イラスト作成
サンプル イラスト
一からの作業ではデジタル水彩以外のブラシで試してみたので、普段とはちょっと違うかも…違わないかも…。ちなみに背景部分は写真を自動ペインティングで加工してみたのですが、なんとなく…う~んという感じだったので、Filter Forgeというプラグインソフトで再加工しました…Essentialsだけではなかなか難しいです…(笑)


まぁ、7 からのアップデートという意味では、Windwsユーザーにはどっちでも?という感じです。ブラシはちょっとよくなってますけど…。Essentials 5 または 6 をお使いの場合は、AIフォトなども含めてアップデートを検討されてもよいかもしれません。(単独で購入するにはちょっとお値段的にあれですが…2021年9月15日現在、40%OFF(5,180円)をやってるみたいです。)
私の場合は、PSPのバンドルなので、ブラシパックなどはおまけにつきません…当然…。Essentials用のブラシパックもかなり増えているので、そちらをプラスするのもよいかもしれません(高いですけどね)。

以上、Painter Essentials 8 の紹介でした。