Painter 2022 ブラシのインポート時の注意点
2022新機能でブラシカスタマイズと思っていたのですが、その前に旧バージョンなどからブラシをインポートするときに確認しておきたいことなどを紹介しておきたいと思います。
既に新機能紹介で書いたように、2022では旧来のブラシを進化(?)させることができます。もちろん旧ブラシをそのまま使用することも可能ですが、せっかくならば新機能を追加してみるというのも面白いと思います。
その辺りを少し紹介(新機能の復習ともいう)してみたいと思います。
今回の記事に使用した旧バージョンまでのブラシと2022でカスタマイズしたブラシをそれぞれDLできるようにしておきました。
よろしければそれぞれを比較しつつ試していただけるとよいかと思います。
旧ブラシ(2021) Pen 2021.brushvariant
新ブラシ(2022) Pen 2022.brushvariant
1.取り込みブラシのインポート
新機能の一つでもある[取り込み]を使った取り込みブラシのインポートを紹介します。
[取り込み]タイプのブラシ(カテゴリなどの場合も同様)をインポートすると、ブラシのみをインポートするか描点もインポートするかの選択肢が出ます。新機能なので描点も合わせてインポートしたいと思うところですが、基本的にはブラシのみのインポートでもよいかなと思います。特にカテゴリやライブラリをインポートする場合、かなりの数の描点が同時にインポートされてしまいます。汎用的に利用する可能性が高ければ同時登録、それほどでもなければブラシのみでよいのではないでしょうか。
後で、ライブラリに登録することも可能です(インポートカテゴリなどから描点のみ登録も可)。
取り込みブラシをインポートしたら、まず確認したいのが[描点のエフェクト]を変更してみてはどうかを考えることです。
旧バージョンをインポートした場合、描点エフェクトは[なし]の状態になっています。新機能である[フェード]、[しきい値]、[拡大]、[減衰]のいずれかに変更したときにどのように描画結果が変わるか、またそれぞれの強さを見ながら試してみると面白い結果が出るかと思います。
今回、前バージョンで作成した取り込みタイプのペンブラシをインポートしてカスタマイズしつつ、確認していきます。
2021まで使っていた取り込みタイプのペンブラシ(自作)を2022に取り込んでみました。
特に不満はないブラシですが、2022では円形タイプで描点タイプと硬度などを利用すれば、より細いブラシが出来るようになったので、この取り込みでも似たようなことができないかと考えました。
そこで選んでみたのが描点エフェクトの[減衰]です。強さを30%程度に設定しました。
これだけでも良いのではないかなと思いますが…さらに新機能の[手法]なども確かめてみることにします。
手法とブレンドの確認
これまで、[塗り潰し]タイプだったブラシの場合、インポート時は当然ですが[手法]が[レガシーカバー]になっています。
特に[ブレンド]コントロールの[強化されたレイヤーブレンド]にチェックがある場合や、いわゆる白引きずりを放置していた方は[強化されたレイヤーブレンド]へのチェックと合わせて[手法]を[強化カバー]に変更してみることをお勧めします。この場合、元の設定よりも若干色が濃く(というか不透明に)出ます。特に[強化されたレイヤーブレンド]はそれが強く出るので、不透明度を少し下げたほうがよいように思います。
さて、ここで前述の例1をさらにカスタマイズしてみることにしました。
[レガシーカバー]になっていた[手法]を[強化カバー]に、チェックを入れていなかった[強化されたレイヤーブレンド]にチェックを入れました。これで[補充量]を下げたりしても白引きずりはしなくなります。
※ところで白引きずりって?
既存ユーザーの方ならば、あれねという感じのそれ(?)ですが、Painterでは長らく、レイヤー上での描画時に筆圧の低い部分の描画などに白色が出てしまうという現象があります。[ブレンド]の[補充量]が低いときなどにおこりやすいものです。これを回避するためにPainter 2016 で登場したのが、[強化されたレイヤーブレンド]ですが、なかなか扱いづらく、使っている方が多いのか少ないのか分かりません(自分は使ってませんでした)。
白引きずりと強化されたレイヤーブレンドについてはPainter 2016 で紹介していますので、わかりにくい方はそちらも参考にしてください。
Painter 2016 新機能ブレンド2.0 の特徴とカスタマイズ
そんなわけで2022で、この部分の強化も含めて導入されたのが[強化カバー]となります(と思います)。
閑話休題、ブラシのカスタマイズを続けます。今回カスタマイズしているのはペンタイプなので、元々補充量は100%になっており、特に白引きずり問題は出ていないブラシですが、強化カバーにしたときに選択できる[サブカテゴリ]が面白い感じなので、強化カバーを選択し、ついでに(?)[強化されたレイヤーブレンド]にもチェックを入れてみたというのが実態です。
その[サブカテゴリ]ですが、[フラットアルファ(ブレンド)]にするか[粒状エッジフラットアルファ(ブレンド)]にするかで悩みました。でも、こういうので悩むのは好き(笑)
結局、ざらざらしすぎるのを避けるということで、[フラットアルファ(ブレンド)]を選択です。
スムーズ化も要確認
せっかくなので、新機能のスムーズ化も確認、変更しておきます。
[ジッターの低減]が新しく追加された機能なので、こちらはインポート時は0になっています。
こちらの数値を上げて、逆に[ファセットの低減]を高くしている場合は下げてみるというのも良いかなと思います。描画が少しもたつくようなら、[安定化]は少し下げます(ペンタイプは少し高めにしている方が多いと思うので…)。
大体こんな感じで、新機能部分を確認しながら良い感じにカスタマイズしてみていただくとよいかと思います。もちろん、インポートしたままでOK、お気に入りだから…という場合はそれで問題ありません。
今回は取り込みを例にとって旧ブラシをインポート、カスタマイズをおこないましたが、円形ブラシの場合ならば、まずは描点タイプと硬度のカスタマイズからということになるかと思います。
近いうちに円形タイプの硬度を使ったカスタマイズブラシ(こちらは特にインポートではない)をいくつかご案内していこうと思います。
それと、今回インポート作業をしていく過程で、2016の[強化されたレイヤーブレンド]登場時、今ひとつ納得する出来にならんかった[ティント]>[標準丸筆](もうなくなってしまいましたが(笑))や[オイルパステル]もそれなりになるのが確認できたので、それらもやってみたいなと思ってます。