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Painter 2019 リリース 新機能レポート

Painter 2019 が 2018年6月にリリースされたので、新バージョンについて紹介してみようと思います。新バージョンでの新機能ですが、今回はブラシなどの追加設定は特にありません。


新機能について

ダークなユーザーインターフェースとアイコン類の変更

見た目として、インターフェースのテーマ(背景色とか全体の色の雰囲気)をダークに合わせたものに変更されました。これまでのバージョンにもダークテーマはあったのですが、新バージョンではダークなテーマで違和感がないようにパネルなどの色味が調整されているようです。ダークな方が描きやすいという方には扱いやすいかもしれません。
インターフェース

更に、ツールパネルなどのアイコンが一新されています。慣れないとあれ?と思うかもしれませんが、配置的にはこれまでと変わらないので、あまり苦労するところはありません。
アイコン
スライダなどの表示も少し変わっています。
スライダに関しては、Ctrl(Command) キーを押しながらドラッグすることで、動く速度を遅くすることができるようになり、正確な数値に合わせやすくなりました。

※キーを押しながらのスライドはかなり遅くなるので、大きく動かすときには一旦近くまで動かしてからキーを使う方が良いようです。また、キーを先に離してしまうと、そこから動いてしまいやすくなるので気をつけた方が良いようです。


パフォーマンス改善

高速化されたということです。
2018との比較では実感的におぉ~というほどではありませんでしたが、ブラシバリアント切り替え後に描き始めたときに少しロスがあったのがなくなった(気にならなくなっている)気はしました(気がしただけかもしれません…(笑))。また、リアル水彩使用時のぼかし処理中にカラーセットから色を切り替えるのが若干スムーズに感じました。そのほか、スペースバーでの画面スクロールなども少し良いかなといった感じです(大きなサイズで比較したとき)。
一方、リアル水彩での広い範囲を塗ってからぼかし終了までの待ち時間などは特に変わっていないようです(計測したところ)また、大きなファイルの読み込み時間などにもあまり変化がないようです。

一般的なブラシでブラシコントロールの[マルチコア]チェックをオンにしたときに、CPUが一気に70%位まで跳ね上がるというのは、2019でも変わっていません。オフにしておくと数%でおさまるので2019でも通常のブラシではオフにしておく方が良いでしょう。(リアル水彩などの重いタイプのブラシではオンオフどちらでもCPUは高くなります。)

高速化のおかげか、インターフェースなどの変更によるのかは分かりませんが、各種アイコンやカラーセットからの色選択時の反応がよくなったように感じます。2018では、ペンを軽く当てただけではうまく反応しないことが多かったのですが、その辺りが少し改善されているようです。


ドラッグによるズーム

ズームツール選択時、クリック+ドラッグでズームイン/アウトが出来るようになっています(右へ動かすとズームイン、左でズームアウト)無段階に簡単にズームイン/アウトが使えるのはかなり楽だと思います。
ズーム機能
私の場合はブラシツールのままでショートカットキーを使うため、あまり使っていなかったズームツールですが、無段階にできるのは便利かなぁと思っているので、ズームツールに切り替えて作業することが増えるかもしれません。


ブラシゴーストの機能強化

描画時のカーソルタイプに[ブラシゴーストの強化]を選択したときに、[ペイント中にアイコンを表示]というチェックボックスが追加されました。
チェックを入れると、描画が始まると、カーソルがアイコンタイプになるという機能です。
ブラシゴーストの強化
ブラシの大きさや傾きを確認したいけれど描画時には邪魔!という場合に便利です。ただし、切り替えに若干のタイムロスがあるので、短いストロークの場合は切り替わる前にストロークが終了してしまうことがあります(笑)


カラーセレクタの強化

Ctrl+Alt+2(Windows)またはCommand+Option+2で表示したままにできるカラーセレクタを選択できるようになりました(再度同じキーを押すことで非表示)。これまでのバージョン(Painter 12以降)で一時的に表示されていたカラーセレクタはこれまで同様に、Ctrl+Alt+1(Windows)またはCommand+Option+1(Mac)で表示することができます。
カラーセレクタ
キーはメニューバーの[編集]から[環境設定]>[キー設定]で変更できます。(Other内の[一時的なカラーセレクタを切り替え]、[カラーセレクタを切り替え]で変更可能。)


マルチタッチ機能の強化

マルチタッチ機能が強化されているようです。移動、拡大/縮小、回転がおこなえるとのことです。これまでのバージョンでもマルチタッチ機能は使えていたようですが、反応が鈍いといったことも聞いたことがあるので、新バージョンではその辺りがどうなっているのか気になるところですが…我が家の液タブはマルチタッチ対応ではないので、確認できません…がっかり…。


ブラシについて

ブラシコントロールの設定内容は変更がありませんが、いくつか新しいバリアントが追加されています。
スタンプ(描点の種類が[取り込み]の新バリアント)やサージェントブラシなどが追加されています。設定としては2018でも作成できるブラシなので、それほど新鮮味はないのですが…(笑)
追加ブラシ


新バージョンをインストールしたときから新機能が少ないなぁと思っていたのですが、こうやって紹介文を書いてみてもやはり少ないのが分かります(笑)
その分、安定感はあるみたいですが…やはりここのところ毎年新バージョンを出しているせいでしょうか…バージョンアップするユーザーには今ひとつ…かもしれません。

そういえば、Painter 2019 の紹介ページ概要内の『自由にカスタマイズ可能』の欄に以下のような記述があるのですが、欲しい機能の要望を出してねって事でしょうかね…。だったら色々と出したい(日本語で大丈夫なのかな…)。
『他にペインティング ソフトウェアにあって欲しいものがあれば、paintervips@corel.comまでご連絡ください』


今回の紹介はいつもの半分以下のような気がするので、アップデートパッチ辺りでなにかびっくりするような機能追加が欲しいものです(笑)