デジタル水彩で、水彩境界が出来る設定の組み合わせ

最近、アナログの水彩に近い表現が出来ないかと、そればかり試しています。
新水彩を使いこなせれば、或いは…という気もするのですが、新水彩で水彩境界を上手く出すのはなかなか難しく…というわけで、デジタル水彩でチャレンジしている訳です。
アナログの透明水彩で、色が溜まる部分にでる微妙な筆のギザギザ感とか…そういうのはやはりデジタル水彩をそのまま使ったのではなかなか難しそう…。
そこで、描点を「円形」ではなく、「取り込み」にしてギザギザ感が出ないかなぁと考えました。
ちょっと思いついた時には、「良いんでは!」と思い、早速実行した訳ですが…。
なんと…………。
「取り込み」ブラシでは、水彩境界が出ないのです…。
まぁよく考えてみればあたりまえなのです…複雑なラインの「取り込み」ブラシに全て水彩境界をつけるというのは多分ものすごく難しいので、省略されているのでしょう…。
あぁ…残念…。
という事で、一応「デジタル水彩」で「水彩境界」が出来る設定の組み合わせを載せておきます。

以上の条件を全て満たした場合のみ、水彩境界が出来る状態になります。


  2015.1.28 作業状態変更につき、一部削除(クリックで削除分表示)

  • サイズ。
    • ブラシチップのタイプ(筆先) 「水彩」タイプ

ですので、「円形」を選択していても、ブラシチップのタイプが「水彩」以外ならば水彩境界は出来ません。
その他の条件を全て満たしていても「ぼかし」のあるブラシでは水彩境界は出ない事になります。また、描画結果ですが「ぼかし」が0の場合は、水彩境界が出来ない場合(以上の条件を満たしていない)の組み合わせのブラシで描画し水彩境界値を上げると、全体の色が白っぽくなりざらざらした結果になります。
「ぼかし」に値がある場合(描画結果にぼかしが出る場合)は、以下の特殊な場合(※注)参照)を除き、描画結果に変わりはありません。
※注)
レイヤーの「透明度ロック」にチェックが入っている場合、水彩境界が出来ないタイプの設定にしてあるブラシは描画の境界に白いゴミが出てしまいます。
これはレイヤー描画時のみならず、チェックが入っている状態でキャンバスに描画した場合も同様の結果になります。
「新規作成」時などレイヤーがない状態で使用していても、プログラム内部(前回終了時に「透明度ロックにチェックが入っていたなど)で「透明度ロック」にチェックが入っている状態で使用すると同様になります。
レイヤがーない状態でキャンバスに描いているのに、こういった症状が出る場合は、一度「新規レイヤー」でレイヤーを作成して下さい。そうすると「透明度ロック」のチェックが確認できますので、チェックを外します。
またこういった症状が描画結果に出てしまった場合も、一旦「透明度ロック」を外した状態でもう一度上からなぞれば、このゴミのようなものは消えます。
閑話休題(笑)


20050410.jpg
という事で、「取り込み」ブラシ作戦に失敗してしまったので、他に面白いブラシはないかと思って色々試してましたら、「幅広水彩ブラシ」というのが結構面白いんではないかと…。

「ストロークの種類」に「レーキ」を選択し、「ランダム」に値を入れてあるようです。
塗りに使えばなかなか面白いようなのですが、問題はこのブラシが名前の通り「幅広」であるという事です…(笑)
広範囲の塗りには適しているのですが、細い部分が塗れません…通常ならばサイズを小さくすれば良い訳ですが(このブラシは筆圧で小さくする設定にはしていない(でも筆圧で多少小さくなる…なぜ?(笑))この「幅広水彩ブラシ」はサイズを小さくすると、描画が汚くなります。
(ギリギリでサイズ「6.0」くらいまでしか下げられない…)
この状況は「間隔」の「最小間隔」と、「レーキ」の「間隔」の設定値に影響されます。
それぞれの値を下げると、描画結果は改善されますが、元々ある雰囲気がなんとなく無くなるようで、難しいところです。
広い部分を塗る場合(デフォルトのまま使用)と、細い部分を塗る場合(上記2項目の値を若干下げるなど多少修正)の2種類のブラシを用意しておいた方が良さそうです。
というのも、他のデジタル水彩ブラシよりも色が薄めにでてしまいますので、なかなか同時に使うという風にはいかないようですから…。
逆に、通常のデジタル水彩ブラシ(「新シンプル…」など)を使用後、このブラシを使用して全体に色を伸ばすような感じで使うのも良いかもしれません。

という事で、「目指せ、アナログ透明水彩!」…当初の思惑とはかなり違っておりますが、「幅広水彩ブラシ」を使用して塗ってみました。(幅広水彩ブラシは水彩境界値を最大の100に設定、それ以外はデフォルトのまま使用、他に「新シンプル水彩」等も使用)
元ネタ(ポーズなど(笑))は某素材辞典から…。
描画後、以下の処理をおこなっています。

1.塗りを終了後、塗り部分のみ「デジタル水彩乾燥」→「全て固定」(レイヤーにも描画していたので)処理をし、塗りをキャンバス上にひとつにまとめる。

2.「キャンバスを水彩レイヤーに変換」を実行して、塗り画像を「水彩レイヤー」に移す。

3.適当な新水彩ブラシ(あまりぼかしが効いてない方が良いと思う…今回は自作)を選択して、「水彩レイヤー全面ぼかす」を実行する。


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