水彩色鉛筆風(デジタル水彩編) 

「デジタル水彩」+「下の色を拾う」で「水彩色鉛筆風」

08年10月17日付けのMEMO内でデジタル水彩ブラシによる「水彩色鉛筆風」で仕上げた柿の絵を載せてみたのですが。
何でまた「水彩色鉛筆」?って事なんですが、なんとなく水彩色鉛筆の解説本(「はじめてさんの水彩色鉛筆」)を買ったせいです…コピックの本を買うとPainterで試してみたくなるのと同じような理由ですね…(笑)
で、この時はデジタル水彩を使った「色鉛筆」風バリアントと「水ブラシ(改良版)」を使っていたのですが、ぼかした色の落ちが大きいので、何度か重ね塗りをする必要がありました。 (最終的に、全体が薄いので、レイヤーの乗算2枚重ねとか…使って仕上げました…(笑))
もっと簡単にアナログの水彩色鉛筆みたいに軽く色付け…が出来ないかと…その後色々考えまして…。
ふと思いついたのがレイヤーの「下の色を重ねる」チェックを使ってみることでした。
チェックをつけると、透明のレイヤーで水ブラシを使っても、下のレイヤーを拾って色を伸ばしてくれます(って今まで気づかなかったのですが…。)
これって、使えるのじゃないの?という訳で…「デジタル水彩+「下の色を拾う」チェックで「水彩色鉛筆風」です。
これを使う利点は、下の色鉛筆塗りの筆跡(?)を残せることです。
アナログの水彩色鉛筆で軽く水ブラシでなぞった雰囲気を出すのは、通常の色鉛筆+ブレンドではかなり難しいのですが、そこをクリア出来ます。
それから、通常の色鉛筆ブラシを使ったものに対しても「デジタル水彩」の水ブラシが使用出来るので、「水彩境界」や「ぼかし」をつけることが出来ますので、水でぼかした感じが作りやすいということもあります。
デメリットといいますか…不便なところは、レイヤーが増えることですねぇ…。
以降の作業手順を見ていただくと分かるかと思うのですが、色鉛筆用のレイヤー+ぼかし用のレイヤーが、パーツ毎(パーツは絶対分けないといけないという訳ではないです)に必要になることです。
後は、レイヤーの透明度などを雰囲気にあわせて、いじらないといけないことでしょうか…。

という訳で、まずは基本から…。
基本の塗り 上で書きましたように、基本は色鉛筆の塗り用に1レイヤー、ぼかし用に1レイヤーとなります。
まずは新規レイヤーで左図の左側(矢印から左側)のような感じで、色鉛筆で塗ります。
あまりべったり塗らないように…。

この辺りはアナログの水彩色鉛筆を使う時と同じだと思って下さい。
色鉛筆の塗りの濃さで後の仕上がりが変わりますので、仕上がりをイメージしつつ…。
といいつつ、左図の場合は、3つの○は左側の色鉛筆は全て同じ濃さで描かれてます。
(一応基本だとこのくらいの塗りの雰囲気で)。
塗りおえたら、新規レイヤーを作成、
レイヤーの「下の色を拾う」にチェックをつけておきます。

※注)
「Paitner X」では、「下の色を拾う」チェックをつけたまま、Painterを終了させると、次回起動時にチェックが消えているにも関わらず、実際はチェックが入ったままになっているというバグがありますので、要注意です。(「Painter X 問題点と使用上の注意」参照)

描画結果とレイヤーの不透明度 水ブラシ用のデジタル水彩ブラシで、色鉛筆を塗った上をなぞります。
ここで水彩色鉛筆の解説本にある仕上がりが「水の量で変わる」を実践する事に。
一番上が少ない水の量で軽く溶かす
真ん中が通常の水の量で溶かす
一番下がたくさんの水の量でしっかりと溶かす
といった感じに仕上げることにします。

ぼかした結果が左上図の矢印の右側ですが、一番上は軽い筆圧で(仕上がりの違いも若干ですが、見た目で分かると思います)、真ん中と下は普通に塗りつぶすような感じで、水ブラシを使います。
真ん中と下はどうやって区別するの?と思われるかと思いますが…(笑)
そこはCGですので、レイヤーを調節します。
左図はそれぞれのレイヤーの透明度の設定値です。
つまり、下の色鉛筆をしっかり溶かしたい場合は、下の色鉛筆レイヤーの透明度を低くする、という訳です。
真ん中のぼかし用レイヤーは今回不透明度100%ですが、濃すぎるようなら、こちらのレイヤーの値を少し低くすると良いと思います。

さて、お分かりかと思いますが、この状態でレイヤーが6枚…なのですね…つまり…(笑)
まぁこれは、雰囲気の違いを見るためな訳ですから、実際に塗る場合は塗りの雰囲気やぼかしの雰囲気は統一させると思うので、ここまで分ける必要はないですが…。
実際に色鉛筆とぼかしのレイヤー結果がどうなっているかを見てみることにします。
別のイラストですが、簡単にクローバーを…。
レイヤーの状態描画結果
レイヤーの重ねは上左図のようになっており、描画結果は上右図になります。
描画結果での「ぼかしレイヤー」は下にある「色鉛筆レイヤー」を非表示にした時の状態です。
ぼかす時には、濃いめの色から薄い部分に向けて、色を伸ばしていった方が綺麗に伸びます。
逆に、薄い色から伸ばすと、白っぽくなりますので、濃すぎる時には、そういう方向で…。

これって、「下の色を拾う」なんか使わないで、普通に「デジタル水彩」を塗り重ねればいいんじゃない?…って思いますよね…(笑)
まぁ、こういった一色の場合は、どちらでもほぼ同じです…ぉぃぉぃ…(^^;)
効果が出るのは、色鉛筆を何色か重ね塗りした時ですね。 で、次は多少、本格的に紅葉の葉っぱを描いてみました。

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