着物と帯の柄の描き方 ―パターンペンとイメージの歪み―

  1. 1. パターンペンについて
  2. 2. 着物の柄に使う
  3. 3. イメージの歪みを使って帯を作る

1.パターンペンについて

今回は着物と帯の柄についてのメイキングです。 (制作使用バージョン:Ver.6)
まずは着物の柄についてです。今回、着物の柄は「パターンペン」を使いました。
そこで、まずは「パターンペン」というものについて説明してみたいと思います。

パターンペン選択
パターン選択画面

さて、パターンペンですが、簡単にいえば、ペインターの中に登録されているパターンを使って描くブラシの事です。
以前のバージョンではパターンは塗りつぶしやクローンの時にしか使われなかったのですがブラシとしても利用可能になったという事です。 パターンペンは「ペン」の中にある「パターンペン<ソフトエッジ>」「パターンペン<マスク>」「ペン<パターン>」の3種類のブラシを使って描く事が出来ます。

大きな違いは、パターンにマスクが適用されているかどうかという事です。
「パターンペン<マスク>」を使った場合、マスクが適用されているパターンかどうかによって描画結果が異なります。
もし、パターンにマスクがなければ、「ペン<パターン>」で描画したものと同じ結果になります。

分かりやすいところで、標準のパターンの中に入っている「くいで作ったフェンス」を使って、パターンペンで描画してみます。(下図参照)
「パターンペン<マスク>」の方を使うと、フェンスだけが描画されます。
一方「ペン<パターン>」で描画すると背景の壁も一緒に描かれる事になります。
マスクがもともと設定されていないパターン(これまでの一般的なパターンです)の場合は、どちらのブラシを使っても結果は変わりません。
例えば、標準のパターン内では「ビクトリア朝の壁紙」などがこれにあたります。
「パターンペン<ソフトエッジ>」はマスクのない状態で、縁がぼけた感じになります。


チェーンデフォルトでパターンペン用のパターンの中だと、こういったチェーンのようなものは結構使える…と思います。
レースなどのパターンを自作してもよいですし…。 ただし、このパターンペン、通常のブラシ設定のままでは、描くときに不都合な事が一つあります。
筆圧によってサイズが変わることです。
もちろんその方が便利な事もありますが…
チェーンなどは、急に太くなったり細くなったりはしませんよね(笑)
表現設定画面 という事で、これら太さが変わると困るものを描く場合は、「ブラシコントロール」の「表現」でサイズの設定を「筆圧」から「なし」に変更しておきます。
設定を変更後、「バリアントの保存」で別名保存しておくと使うときに簡単です。


2. 着物の柄に使う

さて、パターンペンについて少し説明してみましたが、今回の着物の柄に関しては、上に書いた説明は全然関係ありません(笑)
なんといっても、着物柄には、マスク云々は関係ないのですから…(^^;)
柄には今までどおりの(通常の)パターンを使いました。
適当な小花柄を用意して、パターンに登録しておきます。
使ったパターンペンはマスクがないので、どれを使っても結果はほぼ変わらないのですが、ソフトエッジはこの場合、避けたほうが良いと思います。
パターンを使っての「塗り潰し」と違って、パターンペンでの描画は曲線のラインなどがきれいに出るので、なかなか本物らしい柄を描くことが可能ですが、 どうしてもある程度太いブラシサイズが必要になります。
着物のパーツ分けというのも、ブラシサイズとパターンのサイズが連動しているので、パターン自体は大きなものを使っても、ブラシが細いとそれにあわせて、柄も小さくなってしまうからです。
ある程度の柄のサイズを確保する為には、ブラシサイズを大きめにする必要があるのですが、そうすると今度は細かい部分の塗り分けが難しくなります。
そこで、大きなブラシでも塗り分けられるように、部分ごとに別レイヤーを作ります。

隣り合う部分でも、柄が繋がらない筈の場所はそれぞれ別レイヤーにして、 なるべく重ならないように分けます。
今回の作例で言えば、→図のように、襟、身頃、袖といった具合です(色分けされているところがそれぞれ別レイヤーになります)。

後はそれぞれの部分ごとに、パターンペンで描画していくわけですが、描きはじめと描き終わりはどうも ブラシが上手く描画できません。
(←「ビクトリア調の壁紙でパターンペンを使った場合)
なので、少し大きめに塗るようなつもりで塗っていきます。
それから、柄の向きはペンの方向に沿った形で描かれますので、広範囲を塗る場合は出来るだけ一定の向きで塗るようにします。
上のパターンペンの説明のところで書いたように、サイズは筆圧に比例しますので、近くの柄は大きく、遠くの方は少し小さめに…といった事も自由に調節できます。
また、塗るたびに、柄部分が変わりますので、結果が気に入らなければ何度も塗りかえて気に入った柄になるようにしていきます。
今回は小花柄でしたので、特に柄合わせは気になりませんでしたが、格子や縞などの時には注意が必要かもしれません(というか、そういう柄のものを広範囲に塗るのはパターンペンでは不向きかもしれません。)

後はそれぞれのパーツをひとつに纏めれば出来上がりです。
パターンなどを使って柄を描く場合、どの方法が一番いいか…というのは難しいところです。
小さい部分なら単純にパターンのコピーペーストが楽でしょう。 (例えば帯の部分など)広い部分なら、以前に説明したクローンを使う方法もあります。
今回のパターンペンの利点は曲線部分がきれいに描ける事です。
襟などは、なかなか上手く表現できると思います。
一方で広い部分の塗りには、あまり適さないかもしれません…
また柄によっては上手く繋がらないなど、それ程良い結果を 得られない場合もあります。
なので、どういった柄でどういった部分を描くのかによって、どの方法を使うかを選ぶのがベストだと思います。

今回は小花柄であったこともあって、ふとパターンペンを使ってみようと思いたったのですが…袖の部分などはクローンで描いた方が結果がよかったかな… と思っています。


次に今回の帯の描き方についても簡単に説明します。
帯はパターンペンではなくて単純にコピーペーストで作ったのですが、ちょっと工夫したところがあるので、そのあたりの説明などを…。

次ページへ続くNext


Previous Page
講座トップへ戻る