マスク付きパターンをペンに利用する
(※この記事は3月10日付けのTwitter投稿記事を元に説明を追加したものです。)
Painter 12では、パターンなどのライブラリの管理が簡単になりました。
そこで、パターンペンを使って、アナログ風に多少でこぼこした感じになるペンを作ってみたいと思います。
パターンペンはパターンを切り替えて使用するブラシですが、横長のパターンを作成することで、スクラッチボードよりも雰囲気のあるペンができます。
でこぼこな感じのペンは「取り込み」などでもできますが、パターンを使うことで繰り返し部分が少なくなり、ランダム感を出したり凸凹部分をコントロールすることができるようになります。
右のイラストは今回作成したブラシでトレスしたもの、下図はスクラッチボードと今回作成したブラシの比較です。
では以下、作成手順など。(パターンとブラシのDL付き)
準備するのは、ペンの使用時に使う[マスク付きパターン]と修正したパターンペンです。
パターンの作成方法とパターンペンのカスタマイズは次のとおりです。
パターンの作成
① 横長のパターン用画像を用意する。
長い画像にするほど、描画時のパターンの繰り返しが少なくなります。
PC環境などにあわせてパターンに無理がない大きさに…。
今回は下図(一部)のような1000×10ピクセル程度の横長い画像で作ってみました。
② 画像はキャンバスにおき、黒い部分(描画部分)を選択した状態にしておく。(レイヤーにあってもパターンの取り込みは可能ですが、サムネイルが真っ黒になってしまうので、キャンバスにおいた方が分かりやすくなります。)
③ [パターン]パネルから[パターンの取り込み]をおこなう。
設定は特に変更しないでOK。
ブラシのカスタマイズ
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① [パターンペン]>[マスクパターンペン]のブラシサイズを4.0程度に設定する。このブラシは、[描点の種類]にスクラッチボードと同じ[レンダー]を使用していますが、[ソース]に[マスク付きパターン]を使用しています。
② [間隔]コントロールで[連続付着]にチェックを入れる。
絶対入れないといけないということではありませんが、入れた方が綺麗な線になります。
※1. パターンの作成状態によっては、描画部分の境界に少し白色が出て上手く色がのらないことがあります。
この場合は、Painter 12 の新機能[ストローク属性の使用]にチェックを入れて、[結合モード]を[乗算]にします。
※2 [ブラシトラッキング]がかなり重要になるので、できれば[ブラシの較正]にチェックを入れて、専用にトラッキングします。
このとき、[速度スケール]と[速度パワー]を通常より大きめの数値にするとよいようです。
⑤ ブラシバリアントを別名保存する。
ここまでで準備はおわりです。取り込んだパターンを選択した状態で、カスタマイズしたブラシで描画します。サイズなどは適宜修正してください。
今回のパターンは実際にペンで紙に描いた直線をスキャナで取り込み、若干補正を描けたものを使用しました。
このほか、素材集のライン素材などでアナログ風なラインのPNG画像を手に入れたり、フォトショップやイラストレータでフリー配布されているブラシを使って直線を作成したものを使用してもよいかもしれません。
パターン作成時に注意して欲しいのは、左右の端がつながるように作成することです。
高さが揃っていれば、ほぼ問題ないと思うので、紙に描いたものをスキャンする場合は、直線を使って描きスキャン後に線が平行になるように調整するとよいでしょう。
[ソース]に[マスク付きパターン]を使った場合は、色は選択色に左右されず、常にパターンの色になります。(パターンが黒の描画色ならば、黒の線しか描けません。)
もしも、色を選択色によって変えたい場合は、[ソース]に[パターンの不透明度]を選択します([パターンの不透明度]を使用する場合は、背景として見えている色は必ず『白』にしておく必要があります)。
ペンなので、毎回黒がよいという場合は[マスク付きパターン]、色トレスしたいときは選択色を使うので[パターンの不透明度]を選ぶとよいでしょう。
今回作成したパターンをPNG画像にしてあります。
保存した画像をPainterで開き、キャンバスを表示状態にして、レイヤー1を選択して[固定して選択]すると描画部分が選択された状態でキャンバスに画像がおかれるので、パターンの取り込みをおこなうことができます。
あわせてカスタマイズしたブラシも配布しておきますので、必要ならご利用ください。
パターン画像 (penpattern0313.png 3KB)
カスタマイズブラシ(pen120313.brushvariant 4KB)Painter12.1のブラシバリアントファイルです。[ブラシの較正]チェックがついているので、設定は修正してください。