先日、報告しておきましたように、Essentials3で「自動ペインティング」を使って写真を 鉛筆デッサン風にする方法です。
結果が前回のPainterIX仕様に出来るだけ近づくようにおこなってみましたが、機能限定 (特にプラグインがない)故に、全く同じというわけにはいきませんでした。
まぁまぁ満足出来るところまではたどり着けましたので、公開させていただく事にしました。
ただし、手順的には更に面倒になります…そこのところご覚悟の上(?)ご覧下さい。
下準備編
Essentialsでは、プラグインが使用出来ないので、「下塗りペインティング」をフル活用します。
スタイルに関しては、一度ずつ「適用」を押さないといけないので、大変ですが…頑張って下さい!?
- 写真画像を開く
※縦か横の大きい方のサイズを1000pxにあわせて、「キャンバス」→「サイズ変更」で
拡大・縮小しておいて下さい。
- スマートブラーを 50%~80%くらいかけて、「適用」ボタンをクリック(今回は80%で適用)
- スタイルを (白黒)にして、「適用」ボタンをクリック
- スタイルを (コントラストを上げる)にして「適用」ボタンをクリック
- .画像の雰囲気に応じて、(コントラストをあげる)を繰り返す。
画像が暗くなり過ぎたり、明るくなりすぎるようなら、「比較(明)」や「比較(暗)」を
途中に挟む。
※今回は「コントラストをあげる」→「比較(明)」→「コントラストをあげる」
→「比較(明)」と計4回適用しました。(毎回「適用」ボタンをクリックする事)
- スタイルを (白黒)にして、「適用」ボタンをクリック(念のため、最終的にモノクロに)
以上の下準備を終えた状態の画像が←になります。
(これ以降、作業過程でのそれぞれの画像をクリックしてもらえば
大きなサイズで確認出来ます。
いよいよ「自動ペインティング」作業に入ります。
何度も自動ペインティングを再生することで、鉛筆デッサンの雰囲気を出していくのは、PainterIXでの作業と同様ですが、一手間(二手間?)描けて雰囲気を出します。
まずは、下塗りペインティングウィンドウ内の「クィッククローン」をクリックして、自動ペインティング用の新しい画像を作ります。
作成されたクローン画像でトレーシングペーパー機能が「ON」になっている(画像がうっすらと見える)場合は、「OFF」にしておいて下さい。
次に、基本設定(以下の自動ペインティング全ての共通設定)を以下のように設定しておいて下さい。
- 自動ペインティングウィンドウ内の「ストロークの種類」に「ハッチ」を選択します。
- テクスチャに「ベーシックペーパー」を選択します(テクスチャに関しては、特に「ベーシックペーパー」限定ではありません)。
自動ペインティング再生手順
(再生時間については、パソコンの機能などによって差が出ると思われますので、何度か試してみて時間を決めて下さい)
- 1.ブラシの「クローン」→「チョーククローン」を選択。
以下のようにブラシの設定を変更する。
「サイズ」 2.1
「不透明度」 30%
「粗さ」 60%
- 自動ペインティング内の各設定値を以下のように設定する。
「ランダム」10%
「筆圧」85%
「長さ」100%
「回転」0°
「ブラシサイズ」75%
設定が終わったら、1~2秒再生し「停止」をクリックして止める。
- 「回転」のみを45゜に変更して、同様に1~2秒再生し止める。
- 「回転」のみを90゜に変更して、同様に1~2秒再生し止める。
- 「回転」のみを135゜に変更して、同様に1~2秒再生し止める。
- 「自動ペインティング」2~5を実行した画像に対して、「下塗りペインティング」の「スマートブラー」を
50%程度に設定して「適用」ボタンをクリック。
←左が5までの自動ペインティング終了画像
右がその後、スマートブラーをかけた結果画像
- ブラシを「鉛筆」の「鉛筆(2B)」に変更して、以下のようにブラシを設定する。
「サイズ」 1.0
「不透明度」 20%
「粗さ」 80%
「カラー」のウィンドウ内で「クローンカラー」をクリック
(←の箇所をクリックする。色の設定などが薄い色になる)
- 自動ペインティング内の各設定値を以下のように設定する。
(ここまでの設定から、「回転」のみ最初に戻す)
「ランダム」10%
「筆圧」85%
「長さ」100%
「回転」0°
「ブラシサイズ」75%
設定が終わったら、1~2秒再生し「停止」をクリックして止める。
- 「回転」のみを45゜に変更して、同様に1~2秒再生し止める。
- 「回転」のみを90゜に変更して、同様に1~2秒再生し止める。
- 「回転」のみを135゜に変更して、同様に1~2秒再生し止める。
- 各設定値を以下のように変更する。(8と比べて、「ランダム」と「長さ」を変更)
「ランダム」15%
「筆圧」85%
「長さ」50%
「回転」0°
「ブラシサイズ」75%
設定が終わったら、5秒程度再生し止める。
- 「回転」のみを45゜に変更して、同様に5秒程度再生し止める。
- 「回転」のみを90゜に変更して、同様に5秒程度再生し止める。
- 「回転」のみを135゜に変更して、同様に5秒程度再生し止める。
以上で「自動ペインティング」作業は終わりです。
全ての自動ペインティング終了後の画像
←から開く画像は50%縮小。
100%画像(一部)は↓
これで仕上がり…でもよいのですが…。画像が少し甘い時や、逆にもう少しメリハリをつけたい時には、以下の方法で仕上げます。
仕上げその1(簡単)
- 「自動ペインティング」終了画像のキャンバスを選択
- ツールバー「選択範囲」→「全て選択」
- ツールバー「編集」→「コピー」
- ツールバー「編集」→「ペースト」
- ペーストされたレイヤーに対して、「下塗りペインティング」のスタイルを以下のように適用。
「コントラストをあげる」→「比較(明)」
- ペースとされたレイヤーの「透明度」を30%に設定する
仕上げその2(ちょっと複雑)
- 「自動ペインティング」終了画像を表示選択している状態で「クィッククローン」ボタンをクリック。
- 新しく出来たクローン画像の「トレーシングペーパー」をオフ。
※3以下は、新しいクローン画像(白紙)で作業します。
クローン元は「自動ペインティング」した画像です。
クローン元を変更しなければこの設定になっているはずです。
- 新規レイヤーを作成。
- 「鉛筆(2B)」で適当に画面上をクリックして、レイヤーの合成方法を「フィルタ」に変換。
- 「効果」→「塗りつぶし」で、「塗りつぶし方法」に「クローンソース」を選択して実行。
※プレビュー画面には自動ペインティングの結果画像があるはずです。
- このレイヤーを「コピー」&「ペースト」(レイヤー内で範囲選択はしない)
- コピーして出来た「レイヤー2」にスタイル「高いコントラスト)」→「比較(明)」を適用。
- レイヤー1の不透明度を70%、レイヤー2の不透明度を30%に。
4~6の辺りが「?」と思われた方は、以前のEssentials3解説「Painter Essentialsで、スキャンした線画を使って色を塗る」のフィルタレイヤーの作成に関する記述を参照して下さい。
http://charako.cside21.com/blog302/p_archive/060522.html
また、レイヤーをコピーペーストする代わりに、新規レイヤーを2枚作り、それぞれをフィルタレイヤーに変換した後、クローンソースでそれぞれ塗りつぶしても結果は同じです。
仕上げその1(左)とその2(右)の結果比較
手順がかなり面倒ですが、PainterIXの結果と似たようなものが出来上がっていると思います(若干違いますが)。
写真で遊ぶというのはEssentialsの利用方法としては、頻度が高いのではないかと思いますので、是非一度お試し下さい。
最後になりましたが、今回も零さんにご協力頂きました。ほんとうにありがとうございました。