2005年4月に零さんから教えていただいた「デジタル水彩」ブラシを少しだけ改良(改悪?(笑))してみました。
前回の記事はペインター講座「「デジタル水彩」水彩境界のためのブラシ」からご覧いただけますが、簡単に書きますと、デジタル水彩の水彩境界をアナログの水彩っぽくギザギザ感のあるものにしようというものです。
なぜ急にそんな修正を?と思われるかもしれません…実は最近「ちひろの絵のひみつ」という本を買いまして…。
いわさきちひろさんの絵の描き方を解説してある本なのですが、読んでいるうちに、「水彩境界」を何とかしたい熱が最燃したと…(実は「水彩」ブラシも色々カスタマイズしてたりするんですよ…(笑))
本当は「取り込み」ブラシで「水彩境界」をつけられるとよいんですが、IX.5段階では「デジタル水彩」と「取り込み」は相性最悪…なので、仕方なく。
今回は、前回の厚みの修正による方法にプラスしてレーキブラシを使用してみました。
デジタル水彩にレーキを使用するのは、標準のブラシでも「幅広水彩ブラシ」で使用されていて、割と良い雰囲気のブラシだと気に入って使っているのですが、このブラシに前回の厚みによる修正をプラスしてみようという訳です。
設定に関する変更の主な部分は上記のような感じです。
「幅広水彩ブラシ」から修正する際には、サイズ刻みを「30%」程度以上にしないと、角度をつけた場合の処理が重くなりますので、注意が必要です。
今回の「角度」の表現設定には「ランダム」を使用しました。
描画結果は以下のような感じになります。
上が直線をひいたもの、下が適当に丸く描いたものです。
アナログ水彩でよく見かけるような周囲のたまりがギザギザっぽくなっている部分の表現に使用します。
下の描画は
キャンバスに←のように描画後、レイヤーを新規作成して内側のちょっと濃い部分を描き加えました。
レイヤーに重ねる事で、内側にも境界が出来ます(レイヤーを使いたくない場合は、「デジタル水彩乾燥」をすると、同様の結果になります。
一部の設定をカスタマイズすると、ギザギザ感の雰囲気などが変わります。
カスタマイズ箇所は「角度」の「厚み」と、「レーキ」の「間隔」です。
左図の一番上が、今回作成したままの設定です。
次が「レーキ」の「間隔」を広げたもの(15%から54%に)ちょっと太めになっていますが、それは関係なく(笑)…ギザギザの間隔が広めになります。
逆にもっと細かいギザギザにしたい場合は「角度」の「厚み」で修正すると良いようです。
一番下は厚みを半分にしてみました。
色々試してみると、雰囲気が違うかと思います。
出来ればもっと鋭角なギザ感(アナログの筆先のような)が出るとよいんですが、さすがにそれは無理なよう…。
次バージョンでデジタル水彩の「取り込み」を改良してくれないかなぁと…思ったりするんですが…無理かなぁ…。
と、それはさておき、今回「角度」の表現設定を「ランダム」にしていますので、ギザギザ感のコントロールは全く出来ません…。
もしコントロールしたいという場合は、前回のように「方向」に設定するとよいと思います。
一番上のランダムは、ペインター任せ…「方向」にすると、まっすぐにブラシを滑らせると「方向 1」のようにギザ感が出ません。ブラシを少し動かしながら(左図のように横線を引くなら縦方向に細かく動かしながら)描くと「方向 2」のようになります。
単純に全てにギザ感が出ても良いなら「ランダム」のほうが楽ですが…。
「ランダム」の場合も、当然ランダムに出たり引っ込んだり(笑)するので、何度か重ねて塗っていると、ギザ感は少なくなってきます。
基本が「幅広水彩ブラシ」ですので、このバリアント同様「全体的に色が薄い&色の出方が均一でない」「水彩境界の値をかなりあげないと境界が出にくい」「テクスチャが効きにくい」などの状況はありますが、アナログっぽさは割と出るかと思います。
前回いただいた「水彩境界の為のブラシ」のほうが使いやすいかもしれませんが…面白さでは負けてないかも…(笑)
バリアント設定のXMLファイルを一応ご用意しましたので、よろしければお持ち帰り下さいませ。
dw_fringe_rake.xml (左のXMLファイルを保存してお持ち帰り下さい)
そんな訳で、作品にしてみましたが…ほとんど水彩境界が出てないですね…(笑)
縮小かける事を考えて、もっとしっかり出せばよかったですね…背景部分にはかなり境界をつけてみたつもりだったのですが、周囲くらいはなんとか結果が出てますか…ね…。
結局、今年も水彩で終わってしまいました…。
とはいえ、最近は厚塗りの油彩系(インパストはつけないが)を練習しているのです。
まだまだ練習のそのまた練習段階なのですが、来年こそは新たな第一歩を…!?