Painter IX ブラシのカスタマイズの連載は終わりましたが、今回は特別編です。
2006.7.22デジタル水彩のテクスチャに関して補足
Ver.6の水彩ブラシをPainer IX.5で読み込んでみました。
Painter IX.5では、Ver.6水彩(旧水彩)ブラシを読み込む(インポートする)と、自動的にデジタル水彩に変換してくれます。
以前は新水彩ブラシに変換されてしまい、せっかくの旧ブラシを使う事が出来なかったのですが、今回はデジタル水彩に変換してくれるのでもしかしたら使えるかもしれません(Painter IX 時がどうだったか不明…なんですが…Painter IX でも同様にデジタル水彩に変換していたそうです…と教えていただきました。)
Painter IXのインストール用CD-ROMのエクストラブラシの中にも「Painter 6 Water Color」というのがあるのですが、これはなぜか「水彩(新水彩)」ブラシ」に変換されたものが入っていて、使えません…(^^;)
なので、旧水彩ブラシを使いたい場合には、Ver.6当時のブラシを読み込む必要があります。
といっても、ブラシ形式が違うので、そのままではブラシの読み込みをおこなう事が出来ません。
まずは、「ブラシライブラリのインポート」という作業が必要になります。
ブラシ横の三角アイコンをクリックして「ブラシライブラリのインポート」を選択すると、ファイル選択画面になりますので、Painter6のブラシ形式である「brs」ファイルを選択します。
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標準のVer.6ブラシの名称は「Painter.brs」ですから、これを選択します(以前に別のブラシを作った事がある場合や、ブラシを配布しているサイトさまなどからDLした場合はそのブラシを選択します)。
インポートされたブラシの名称は上の場合だと「Painter Brushes 1」となりました。
brsファイルのファイル名の後に「Brushes」がつくようですが、この場合Painter IXの標準ブラシの名称である「Painter Brushes」と同名になるため、最後に1がついた模様です。
この名称はインポート後、自由に変えて構いませんので、分かりやすい名称に変えておきます。
後はこのブラシを「ブラシカテゴリの読み込み」で選択すれば、Ver.6ブラシを使う事が出来るようになります。
(遠い記憶(笑)なのですが、Painter IXインストール時にチュートリアルをインストールするとVer.6ブラシというのが出来たような気がするんですが、あのブラシはデジタル水彩に変換されていたのでしょうか…その後チュートリアルをインストールする機会がないので、不明なので…)
さて、旧(Ver.6)水彩とPainter IX.5のデジタル水彩では多少描画結果にも違いがあるので、全く当時と同じブラシにはならないと思うのですが、出来るだけ近づける作業をしてみようと思います。
上図はそれぞれVer6とPainter IX.5を使用して「丸筆<水彩ブレンド>」と「水彩細筆」で描画したものです。(Painter IX.5ではインポートしたブラシ)
右側のぼかしのついたものが「丸筆<水彩ブレンド>」、左側が「水彩細筆」です。
また、青い色の描画がVer.6でのもの、紫色(?)のほうがPainter IX.5になります。
Painter IX.5ではテクスチャに対する反応が変わっていますので、Ver.6により近づけるように粗さの値を最大値に近くして表現設定も「なし」にしてみました。
PainterIX.5では、どちらのブラシも、「ブラシのカスタマイズ<1>」で使った「カラー表現」に「ソース」を使う設定にしてありますので、色の変化はあまり大きくありません。
上側の「なし」と書かれている描画結果がその下の「ソース」と同じブラシで「カラー表現」のみを「なし」に設定したものです。
また、Painter IX.5 では、レイヤー上にもデジタル水彩で描画する事が可能ですが、レイヤー上での描画結果はキャンバスで使用した場合と若干違いがありますので(当講座「Painter IX 「デジタル水彩」使用上の注意」を参考にして下さい。)描画はキャンバスにおこなっています。
これでも若干違いは見られるのですが、テクスチャ関係の差はこれ以上は如何ともしがたく…ですね…。
Painter IXにインポートした水彩系ブラシの場合、基本的に変更したほうが良いのは「粗さ」の数値のみのようです。
テクスチャを効かせる必要がなければ、この変更は不要になります。
Ver5辺りのブラシでは、設定項目が現在よりも少ないため、もう少し色々修正した方がよいかもしれませんが、Ver.6ブラシならば、ほぼ「粗さ」以外はそのまま使えるようです。
またデジタル水彩の独自設定の「ぼかし」がVer.6水彩より少し少ないようですので、「ぼかし」の値を少し大きめにするとよいかもしれません。
上の「丸筆<水彩ブレンド>」では「16」に変更してあります。
Painter IX.5の「新シンプル水彩」などもそのままで割合使いやすいブラシですが、Ver.6水彩に慣れている方などは旧ブラシを読み込んで使ってみるのもよいかもしれません。
Ver.6のブラシなんて既にないという方のために…。
今回若干修正した「丸筆<水彩ブレンド>」と「水彩細筆」ブラシのXMLファイルをご用意しましたので、宜しければお持ち帰り下さい。
「カラー表現」に関しては、元になるパターンが必要な事もあり、今回のXMLファイルでは「なし」に設定してあります。
必要にあわせて、「Painter IX ブラシのカスタマイズ<1>」を参考にして、修正してみて下さい。
「丸筆<水彩ブレンド>」 v6_waterblender.xml
「水彩細筆」 v6_simplewater.xml
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2006/7/22 -追記- デジタル水彩の「テクスチャへの反応」に関して
デジタル水彩ブラシで、テクスチャの表現を、Ver.6以前の水彩ブラシにより近づけたい場合、「粗さ」のみでなく「補充量」も修正すると、よりVer.6以前の水彩に近づける事が出来ました。
とはいえ、あくまで私の実感なので、数値的に確実にどうという事ではありませんが…(なので、あまり変わらないよ…と思われる場合もあるかも…とお断りしておきます。)
雰囲気的に、補充量が低いほどテクスチャへの反応がよくなるようです(もちろん「粗さ」の値が高い事が前提です)。
「補充量」は色にも関わってきますし、レイヤー上ので描画にも影響してきますので、テクスチャへの反応だけで値を決めるのもどうかと思うのですが、よりテクスチャへの反応を重視したい場合には設定値を変えてみるのもよいかと思います。
という訳で、以下のように設定してみました。
粗さは最高値の「100」(85から100程度)で表現設定は「なし」。
補充量の値を5~15程度にして、表現設定を「筆圧」。
出来れば、「カラー表現」は、パターンを無地のグレーにした上で「ソース」に(詳細は「ブラシのカスタマイズ<1>」)。
補充量がかなり低めのため、逆に不透明度は若干高めにして、色の具合は調整します。
タブレットの「筆圧」にも関係してくるのかもしれないので、もしかすると上手くいかないかもしれないのですが、我が家の状態ではこの方法でかなりテクスチャの表現も以前に近いブラシが出来上がりました。
使用感も割と近いかなと思います(筆圧の弱い部分でよりテクスチャが出る、弱い筆圧で重ねて塗るとテクスチャが出る…など)。
粗さの表現設定が「なし」になっていますが、「補充量」の表現設定を「筆圧」にすることによって、筆圧の弱い部分で「テクスチャ」への反応が大きくなるという以前の水彩ブラシの雰囲気を表現する事が出来ます。
ちなみに同様に色が薄くなる関係の「不透明度」の値を下げても、テクスチャには関係しないようです。
上のダウンロードブラシは、元々補充量を低く設定してある(確か25程度か?)ので、そのままでも良いかもしれませんが…もう少し下げてもよいかと思います…(笑)
とりあえず、テクスチャの表現には「粗さ」のみでなく、「補充量」も若干関係してくるようだという事で…補足でした。
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急に思いついて、試してみたのであまりまともなデータではないのですが、ご参考までに。
実は、Ver.7辺りで旧水彩ブラシをインポートしたら、勝手に「新水彩」に変換されてしまって、使えな~~いという事で、インポートはそれっきり忘れ去られていたのです。
今回「デジタル水彩」に変換される事が判明(遅すぎ!)したので、昔々に作ったブラシが、又使えるかも…使えないかも…ですが…(笑)