さて「水彩(新水彩)」ブラシですが、全体的に
描画速度が向上されたことで、「重い」という印象は多少(かなり?)払拭された
のではないでしょうか。 また、今回新設されたブラシ設定項目として、「Delay Diffusion」という
チェック項目があります。
これはぼかしなどの作業を描画が終了した時点でまとめておこなうものです。
このおかげで体感スピード的にもかなり向上しています。
が、それ以上にこのチェック機能には、大きなメリットがあります。
ムラが少なく塗れる…というものです。
基本的に新水彩は、塗り重ねていくごとに色が濃くなっていく系統のブラシなので、ずっと描画していると、どんどん色が濃くなってしまいました。
そのせいもあって、塗りムラにもなりやすいブラシでした。
が、このチェックをつけることによって、色の重ねも描画終了後に描画部分全体に対しておこなうようですので、ワンストロークで描くとほぼ均一に色が塗れるようになります。
←図を見てもらえば、その効果が分かっていただけると思います。
また、このチェックをつけて、水彩レイヤー横の水滴マークのアニメーション中
(水彩描画作業中)に次のストロークを描きはじめると、ぼかし作業などはそのストロークが終了してからまとめて処理されますので、ストロークを離して描画しても、このアニメーション中ならば、色が重なってしまうことを防ぐことが出来ます。
↓図で説明しますと、2本の線を真ん中あたりで少し重なるように、描画しています。
水滴アニメーション終了後に次のストロークを描きはじめたもの(↓図上)では、これまでの水彩ブラシでの描画と同じで、重なった部分が濃くなっています。
一方、
水滴アニメーション中(描画処理中)に続きを描いたもの(↓図下)は、重なった部分の色が濃くなっていません。
これは分かったときに、結構「発見!」とか思ったのですが…(笑)
その後、零さんから、さらなる発見を教えていただきました…。
この描画アニメーションですが、次のような方法で、永遠(?)に止めておくことが出来ます。
ENTERキーを押す一瞬がなかなか難しいですが(描画速度が向上している分だけアニメーション時間が短い!(笑))うまくいくと止めたままで色を変えたり、ブラシサイズを変えたり…等々応用範囲が広いと思います。
まぁあまりやっていると、不安定になったりするかもしれませんので、押した瞬間に落ちたり…そんなことがあっても、当方では責任は持てませんが…(^^;
この方法で、きれいなグラデーション風の描画…なんて夢も広がったり?
まぁ今のところ、この程度(左図の背景部分のグラデーション)しか出来てませんが…ブラシの設定が難しいです(笑)(クリックすると、大きなサイズが…。
メインはあくまで背景部分のグラデーションです。娘は必要ないです(笑))
そんな訳で、なんだか良いことばかりのように思える「Delay Diffusion」チェックですが、そういう訳でもなく「単一でムラがない」というのは、せっかくの水彩ブラシ独特の風合いも
消してしまう可能性があるということです。
特に、自作で取り込みブラシなどを設定している場合は、大きく描画結果が変わってくることが
あります。
チェックありとなしでは、←図のような感じで違いますが、ブラシによってはない方がよりそれらしい時もあります。
この辺りは、ブラシにあわせてチェックの有無を切り替えるとよいようです。
また、チェックがついているブラシは、描画完了後にしか、ぼかしなどの処理をおこないませんので、大きくぼけるブラシなどは、描画中と描画結果が著しく違います…。
その辺り気をつけないと、ストロークを離した後に、予期していなかった描画結果になったりします…(笑)
このチェックが出来たおかげで、ずいぶんと使い勝手もよくなった感じの新水彩ですが、基本的な部分の修正のようなものはなされていないようです。
塗料の「補充量」を0に近づけたり、補充量が低い状態で「にじみ」をあげると色がおかしくなるといったバグのようなものは相変わらずそのままですし…。
新水彩の設定項目が分かりにくい事もあります。
せっかくデジタル水彩が良く出来たので、「新水彩」は、よりアナログの水彩に近づけるような(水ブラシのようなものできれいにぼけるとか…)そんな努力をしていただけると嬉しいのですが…。
という訳で、まだまだ使い足りない体験版ですが、一応この辺りで…。
日本語版発売は、もう少し先だと思うのですが、楽しみであることは間違いないです。
(うぅ~~~早く出してください…Corelさまぁ~~(^^;)