3.デジタル水彩とコピー&ペースト等における問題

デジタル水彩をレイヤーに描画した場合、コピー&ペーストや取り消し等で以下のような問題点が確認されています。
(他にもあるかもしれますが、とりあえず…)

以上の結果より、デジタル水彩を含む全ての部分をコピーペーストしたい場合は、必ず範囲選択した状態でおこなって下さい。
またレイヤーをグループ化したものをコピーするのは避けて下さい(面倒ですが…)。

-- 後日判明分(追記) --
Corelよりの回答文で消えてしまったデジタル水彩部分は、デジタル水彩ブラシで描き足すと、一瞬で元に戻るとのこと。
確認しましたら、その通りでした。(選択範囲なしでのコピー、グループコピーとも)
描き足すというと分かりにくいかもしれませんが、とにかくデジタル水彩ブラシを選択して、ペーストしたレイヤー(デジタル水彩が
消えているレイヤーのどこでも良いので、クリックすると元に戻ります。色などは考えなくても構いません。
また、描き足しすぎてしまったという場合は、取り消しをすると元のデジタル水彩部分だけまで戻ることが出来ます。
ただし、画像セーブ後に閉じて、再度開いた画像では、この描き足しでの復活は出来ないようです。
デジタル水彩部分を復活させたい場合は、閉じないで作業を続けて下さい。
逆に、後述のデジタル水彩部分との分離などに利用する場合は、コピーペーストなどの作業を終えた段階でセーブして
再度開いてから作業をすると、間違って復活したりしないので、安心かと思います。



-- 追記分終了 --

上記2つの問題を逆に利用して、デジタル水彩部分のみを消去する

レイヤーでの描画限定ですが上記のコピー等の問題を利用して、デジタル水彩部分のみを消去することが出来ます。
Ver.6の水彩には、「水彩ペイントの消去」という項目があって、通常ブラシの部分はそのままで「水彩(現デジタル水彩)」部分のみを消してしまうことが出来たのですが、新バージョンにはそういう機能はついていません。
また、デジタル水彩の消しゴムでレイヤーの描画部分を透明状態に戻すことが出来ないので、そのあたりも含めてなにか方法がないか考えたのですが、上記の問題を逆利用する事にしました。
この方法だと、間違ったレイヤーにデジタル水彩を使ってしまった場合などにも対処することが出来ます。

※ レイヤー上に描画されたデジタル水彩部分のみを簡単に消去する方法
1.「乾燥」はさせずに、そのレイヤーを「選択範囲」→「全て選択」し、「カット」する。
2.「取り消し」をおこなう。
デジタル水彩部分は消去され、通常ブラシの部分のみが残されます(もちろん透明情報も元に戻っている)。
間違ったレイヤーに沢山デジタル水彩を使ってしまった(取り消し等で戻せないほど…)時にも、次の方法で、それぞれの描画部分を分けることが出来ます。
1.「乾燥」はさせずに、そのレイヤーをコピーする(その際には、なにも範囲選択していない状態で)
2.ペーストする
3.通常のブラシ部分のみがペーストされる。
4.最初に間違ったレイヤーを選択して、通常の消しゴム(デジタル水彩消しゴムではない)で通常ブラシで描画してある部分を消していく。
通常ブラシ部分のみが消えて、デジタル水彩部分は残る。

(コピーペーストの後日判明分追記により、上記部分を削除の上、以下を一部修正)

上の方法でも、処理は可能ですが、追記分で書いたように、コピーペーストしたレイヤーは、ペースト直後はデジタル水彩が見えません。
が、そのレイヤーになにか描画をすると、元に戻ってしまいます。
そこで、より簡単に分ける方法として、「カット」→「取り消し」を使った方法をお薦めします。
デジタル水彩部分のみを消去する方法で使用した「カット」→「取り消し」の方法で、通常ブラシ部分のレイヤーが出来ますが、そのままの状態で「ペースト」を行なうと、デジタル水彩が描画された状態で、新たにレイヤーがペーストされます。
このレイヤーの通常塗りの部分を、通常の消しゴムで消していけば、描画部分を分けることが可能です。
もちろん訂正したコピーペーストの場合も、処理的には可能ですが、多少後処理が必要となりますので、こちらのほうが簡単なようです。
コピーペーストで処理したい場合は、下に「実際の処理手順のページへ」のリンクがありますので、そちらを参照してみて下さい。
間違ったレイヤーに描いたデジタル水彩と通常ブラシの部分を分ける(別々のレイヤーにする)事が可能です。
鉛筆などで描いた線画のレイヤーに、間違ってデジタル水彩で塗ってしまったなどの場合に、塗り終わった部分をやりなおすことなく修正することが出来ます。
もちろんすぐに気づいて、「取り消し」出来る状態であれば問題はないのですが…(笑)

注意点は、決して「乾燥」させてしまわないことです。
乾燥させてしまうと、通常ブラシの部分と混ざってしまうので、元に戻しようがありません。
デジタル水彩消しゴムを使って消しているので、大丈夫と思わないで下さい。
レイヤーの透明情報まで消すことは出来ませんので、そのレイヤーを「デフォルト」にしたい場合などに支障が出ます。

それから、この種の作業の際には、必ず事前に保存(別名保存などすると更に安全)作業をしておいて下さい。
不慮の事故に備えることが出来ますので。

また、キャンバスに描画してあるデジタル水彩についてですが、こちらについても一手間加えることで、同様にデジタル水彩部分の消去、或いは通常ブラシとデジタル水彩を分ける事が可能です。

キャンバス自体では上記の処理が出来ませんので、「全て選択」して「レイヤーに変換」してしまいます。
レイヤーに変換してもデジタル水彩の情報は保持されます(乾燥処理はされない)ので、レイヤーに描画した場合と同様、「切り取り」→「取り消し」や「コピーペースト」といった方法で、同様の処理が出来ます。
もちろんキャンバスの場合は、全て選択してレイヤーに渡しているので、透明部分はありませんが…。
作業が終わったら、キャンバスに戻すなりすれば、作業を前の状態で続けられます。
(ただし、デジタル水彩部分は「固定」してキャンバスに移すと、乾燥処理されてしまいますので、その後デジタル水彩で続きを描くことが出来なくなります。続きをデジタル水彩で描く場合はレイヤーのままで続けて下さい。)

実際の処理手順についてはこちらをご覧下さい。 実際の処理手順のページへ

(今回デジタル水彩を間違ったレイヤーに描いてしまった場合の修正ということで手順を示していますが、他にも利用できると思いますので、必要な時に試してみて下さい。)


4.デジタル水彩とスポイト機能

デジタル水彩で描画したレイヤーの「合成方法」を「デフォルト」にすると、スポイト機能がきちんと機能しなくなります。
通常デジタル水彩の合成方法は「フィルタ」ですので「デフォルト」になることはないと思うのですが、間違って既に「デフォルト」で合成してあるレイヤーにデジタル水彩で描画してしまった場合などに、起こり得る現象ですので、注意して下さい。
(またあえて合成方法を「デフォルト」にして、デジタル水彩を使うなどの場合も…)

デジタル水彩での描画があるレイヤーを「デフォルト」でおいた場合、そのレイヤーより下にあるレイヤー(キャンバスを含む)にある色をスポイトすると「白」になってしまう事があります。

「デフォルト」レイヤー(既に他のブラシで描画してあり「デフォルト」になっている)上にデジタル水彩を描画する場合や、デジタル水彩描画後にレイヤーの合成方法を変更して「デフォルト」にした場合など状況によって、きちんとスポイト出来る範囲に差が出るようです。
(デジタル水彩描画の近くだけスポイトした色が白になる場合など…再現状況は色々)
が、現在画面で見えているとおりの色がスポイト出来ず、一部(或いは全部)「白」になるという状況だけは、どの場合も発生します。
このレイヤーを隠すか、合成方法を「Gel(フィルタ)」にすると、きちんと色を拾うことが出来るようになります。
また、「デフォルト」合成のレイヤーのデジタル水彩部分を「乾燥」させて通常のレイヤーにしてしまってもこの症状は変わることはなく、スポイトされる色は相変わらず、「白」だけです。
この問題は、デフォルトレイヤーが本来の使い方ではないという事を差し引いても、非常に不便です。

特に間違ったレイヤーにデジタル水彩を使ってしまった場合などは、修復のしようがないのが痛いです。
で、間違ってデジタル水彩を使ってしまった場合の対処方法はないのか…といいますと、ここでもコピーペースト問題を利用します。
間違って「デフォルト」レイヤーにデジタル水彩を塗ってしまい、デジタル水彩部分を消してしまってもいい場合は、「コピー」→「ペースト」を使った作業でデジタル水彩部分を消してしまいます(「カット」→「取り消し」では、デジタル水彩部分は消えるが、スポイト機能は正常に戻らない…追記)。
そうすると、通常ブラシ部分は残ったままで、きちんと色もスポイト出来るようになります。
デジタル水彩部分も残したい場合は、コピーペーストなどを利用して下さい。
あえて、デジタル水彩をデフォルトレイヤーで重ねたい場合は、対処方法がないので、とりあえずスポイトする時にはそのレイヤーを隠す…とかですね…。

Next Next

Previous Page
講座トップへ戻る